質問:インフルエンザ、コロナにかかっても授乳してもいいですか?
答え:授乳しても問題ありません。
インフルエンザとコロナウィルス(COVID-19)は飛沫や接触感染です。
インフルエンザもコロナも基本的には手についたウィルスやくしゃみや咳で飛び散る唾液に含まれているウィルスから感染します。ですから、感染がわかったり、もしくは風邪を引いてしまって、何が原因かわからない場合(インフルエンザなのかコロナなのか、普通の風邪なのか、いずれにしても)、手洗いうがいをしっかりしましょう。マスクをして手を洗ってから授乳をしましょう。母乳の中にウィルスが特別たくさん増えて、おっぱいを飲むことで赤ちゃんが感染しやすくなるということはありません。
赤ちゃんを隔離する?
赤ちゃんへ移すのが心配だからと赤ちゃんを実家に預けて、搾乳母乳を飲ませる、という選択は感染対策としては理想的かもしれませんが、母乳育児を継続するのに問題がその後起こってくる可能性もあります。ほ乳瓶の使用や授乳間隔の変化の問題があります。また、熱があって体がきついのに搾乳をしてそれを届けるというのはとてもたいへんな事です。十分に搾乳できないと今度は乳腺炎になってしまうリスクもあります。また預ける実家が無い方も多いかと思います。なので、特別な隔離は必要ありません。高熱があって、体がきついときには、お母さんが寝たまま授乳して赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうこともできます。
新生児がコロナウィルス(COVID-19)にかかっても軽症です。
お母さんがCOVID-19に感染していても、赤ちゃんにうつっても赤ちゃんは軽症であることが知られています。もちろん感染症対策は気をつける必要がありますが、必ずしも赤ちゃんと別室で過ごす必要はありません。
母乳は感染予防に効果的!
母乳の中に含まれる免疫成分は赤ちゃんを感染症から守ってくれる力があります。おっぱいには様々な病気を防ぐ免疫に関わる成分が含まれています。特にお母さんが風邪をひいた(インフルエンザにかかった、コロナウィルスに感染した)場合に、症状が現れる前にすでに赤ちゃんはウィルスにさらされています。ですから熱が出てから赤ちゃんを離すのはあまり意味がないです。それよりもお母さんの中で作られつつある今かかっている風邪に対しての抗体(免疫成分)を含んだ母乳を赤ちゃんに飲んでもらう方がより効果的です。
熱冷ましは出来るだけ飲まないで!
お薬を飲んだら赤ちゃんに母乳に含まれた薬を飲ませることになるから、おっぱいをあげなかったという話しを聞くことがあります。熱冷ましや風邪薬は授乳中に飲んで赤ちゃんにおっぱいをあげても問題ありません。でも、熱冷ましのお薬をつかって無理矢理熱を下げると、免疫力を落として、逆に風邪を長引かせることになりかねません。出来るだけ解熱剤、鎮痛薬は使わずに、体を冷やしたり温めたり(高熱でも足が冷えていたら足湯をして体をあたためたほうがよいです)、の対処がお勧めです。
風邪の対処方法
風邪をひいて熱があって食欲がないときは、何も食べないで水をしっかり飲むようにしましょう。熱が高いと脱水になりやすいので、水はしっかりと飲む必要があります。また授乳しているとなおさら水分が必要です。清涼飲料水やスポーツドリンクなどは砂糖が多く含まれていて免疫力を落とすので避けましょう。食事をするとそれに対処するために体の中の免疫成分や酵素が食事を処理することに動員されてしまいます。食欲がないときには、体が今は食事をしている場合ではないですよと教えてくれているのですね。どうしても何か食べたいときにはすりおろしの野菜を食べたりや生の果物の汁などを飲むのがお勧めです。市販のジュースは酸化しているので避けましょう。
インフルエンザの治療やワクチンについて
https://www.yuiclinic.com/information/7829/
インフルエンザ予防接種とインフルエンザ治療薬について