夫がお菓子ジュース大好きでなかなか理解してくれません。どうしたら夫にも食生活を見直していこうと思ってもらえるでしょうか?

質問:赤ちゃんや自分、家族の健康のため食事を見直したいと思っていますが、夫がお菓子ジュース大好きで栄養講座で学んだことをシェアしたいと話しをしますがなかなか理解してくれません。子どもたちにも毎食事後にお菓子やジュースをあげています。私が今妊娠中で、お腹の張り等がありご飯を作ってもらったり子どもたちのお世話を旦那さんにしてもらっているのでもっと栄養の事を考えてほしいと思ってしまいます。どうしたら夫にも食生活を見直していこうと思ってもらえるでしょうか?

答え:少しずつ小出しに伝えていくことが大切だと思います。なかなか価値観を大きく変えることが難しいとは思います。私自身、最初に砂糖小麦乳製品食品添加物除去を勧められたときには、そんなことはムリだと思ってしまいました。でも、甲田光雄先生の本や内山葉子先生の本を読み、自分でその内容を伝えることで、より理解が深まって、その大切さを理解することが出来ました。だんなさんにも理解してもらうためにまず自分自身が理解して、伝えていくことが必要だと思います。

私が、食後に甘い物をとらないようにするようになったのは、甲田光雄先生の本に、食事の後に甘い物をとると、胃の動きが止まったり弱くなって消化吸収を邪魔してしまうと書かれていたからでした。そのことから、できるだけ、食後のデザートはとらないようになりました(とは言っても時には食べてしまいますが)。ちなみに、果物の果糖も他の食べ物の消化吸収をじゃましてしまうので、できれば空腹時に食べた方が果物の栄養をとれるし、他の食べ物の消化吸収を邪魔しないそうです。

果物の食べ方

健康のために果物を食べよう!

砂糖で胃の動きがとまってしまう!~「白砂糖の害は恐ろしい 」 甲田光雄著より

砂糖をとることでの食べ物の消化吸収を邪魔する時間は、ひとによって違うそうですが、実験でブドウ糖をとってどれだけ胃の動きが悪くなったかを調べたところ、長い人で7~10数分、短い人でも3分間胃の正常な働きが邪魔されてしまったそうです。

果物は空腹時に食べると消化酵素も働いて、すぐに消化されるのですが、砂糖となると話しは別になります。空腹な時に甘い物を食べるとどうなるかというと、濃い糖は胃の中で消化されるまでに薄められるのに1時間以上かかるというデータがあるそうです。そして、甘い物をとった後に食べた物は、いつまでも胃の中に残って、いっこうに胃から出て行ってくれない。いつまでも胃がもたれて食欲がわかないということにもなりかねないのだそうです。

対策は甘い物をきっぱりとやめることです。子どもの頃からの甘い物好き食べ過ぎが、将来の健康に悪影響を及ぼしてしまいます。小さいときからの食生活は、子どもの将来を左右すると考えて良いと思います。

何を食べるか、出来るだけ、地元で出来た物をまるごと頂くのが理想的です。旬の野菜や魚を食べられるのが良いと思います。そして、砂糖とのつきあい方ですが、たまにとることまで禁止することは出来無いと思いますが(禁止はまたストレスになってしまいますよね。)、日常的にとり続けているとからだのバランスがくずれてしまいます。砂糖の問題点は下記に挙げているので、ダンナさんに1度みてもらうのも良いかと思います。

砂糖(糖質)をやめましょう~砂糖の害と摂ってはいけない砂糖

白砂糖の害

食事の知識は親から子どもへのプレゼント

食育の最終目標は、親がいないところでも、子どもが自発的に身体に良いものが食べられるようになることだと思います。親が強制的にジャンクフードを制限して、自然食を食べさせていたところ、大人になってからその反動で、ジャンクフード大好きになってしまったという方もいました。子どもに、砂糖や添加物たっぷりの食品を食べ続けると心身のバランスを崩して病気になってしまうということをしっかりと教えてあげることが大切だと思います。子どもは膨大な量のジャンクフードや砂糖にかこまれています。子どもが喜ぶからと多くの砂糖があらゆるところからあたえられてしまいます。ですから、せめて家庭にはなるべくお菓子や砂糖はおかないようにする、砂糖をたべるとどんな問題が体に起こるかを教えて上げること必要だと思います。子どもにわかりやすいところでは、砂糖をとりすぎると、肌荒れが起こりやすくなったり、虫刺されが膿んでしまったり、頭痛やアレルギーなど様々な病気にかかりやすくなるなどの問題点が挙げられます。後は骨が溶けるなんていうイメージで憶えてもらっても良いかと思います(砂糖はカルシウム不足を招いてしまい、骨がもろくなってしまいます)。甘い物は麻薬と同じで、ダメと言われても隠れて食べる事もあるかもしれません。でも砂糖が体に悪い物だという認識をどれだけ持つかで、食べ過ぎにはならないように変わっていけるのではないかと思います。まずは知ることが大切ですね。

お子さんに伝えていきながら、夫も教育するのは大変だと思いますが、家族みんなで学んでいくことが、今後の家族みんなの健康につながっていくと思います。大変だと思いますが、是非知ること、伝えることを頑張ってみてください。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。