腎臓をよくする食事

内山葉子先生の新刊「腎臓をよくする食事: 腸をきたえて透析回避!計算いらずのレシピ付き」

腎臓によい食事とは

腎臓病の食事というと、一般的には、塩分制限、カリウム制限、など食事制限が思い浮かぶかと思います。「塩分が少なくて味気ない」「面倒な計算が必要だ」「とにかくおいしくない」といった、マイナスのイメージがあったりしますが、内山葉子先生は腎臓内科医の立場から、おいしくて身体に良くて、腎臓にもよい食事を提唱されています。

腎臓病の食事の常識が大きく変わってきた!ステージ別のレシピを公開!

  • 最新研究で判明! 塩、たんぱく、カリウム制限は大幅に緩和できる
  • ステージ3までは計算不要!
  • 腎臓を長持ちさせて透析を回避する食事を公開

近年、腎臓病の食事療法は大きく変わってきています。とくに変わってきているのが、「たんぱく質の制限を解除」「カリウム制限の緩和で生野菜、果物の制限を解除」「塩分の摂取量の変化」の3つです。

たとえば、従来の食事療法ならば、「腎臓病の疑いあり」の段階から、「塩分摂取量は1日3~6g」に制限して、細かく食事の塩分を計算するのがあたりまえでした。ところが、内山葉子先生の腎臓をよくする食事で紹介されている新しい食事療法では、食事の質をよくすれば、「過剰な塩分摂取を避ければよい」として、特に計算は不要とのです(どのような食事がいいか、詳細は、是非本をご覧ください)。

つまり、腎臓病の食事として以前から考えられていた「たんぱく質や塩分量を制限して、味気ない食事の時代」から「良質な食材で適切な料理法をすれば、細かい計算をせず、食事を楽しめる時代」になってきているのです。

塩分制限不要のコツ

過剰な塩分制限は不要ですが、塩分制限をしなくてもよいコツは、 塩の質や、食事全体でのバランスです。

  • しっかり野菜を摂る:野菜に豊富なカリウムや食物繊維が、ナトリウム(塩分)の排出を促す。
  • 天然塩を摂る:加工食品や化学調味料の摂取を控えること、天然の塩には、塩化ナトリウムという塩成分だけで無く、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルが含まれていて、ナトリウムを減らしてくれます。また、天然塩を使ったよい調味料(醤油や味噌)は発酵の力で身体に良いと考えられます。・減塩味噌、減塩醤油には添加物が多く含まれていたり、きちんと発酵していなかったりする。また塩も天然塩でないかもしれないので、塩や醤油は原料にこだわってきちんと発酵した物を使いましょう)
  • 糖分を控える:血糖が上がりすぎると、より塩分が欲しくなる可能性があります。糖分も控えましょう。
  • 過剰な塩分制限は急激には行わないようにしましょう。

内山葉子先生提唱腎臓をよくする食事の6ヵ条

  1. エネルギー計算は不要
  2. 天然塩や質のよい味噌、醤油で「適塩」
  3. タンパク質は植物性を中心に、良質な物をとる
  4. カリウムの含まれる食品は腎臓に良い
  5. 添加物などの多い加工品を避けて、質の良い食材を摂る
  6. なるべく低酸性の食材をたべる

腎臓をよくするセルフケアも紹介!

  • 適度な運動
  • 良い睡眠
  • 日光浴
  • ストレス解消法
  • 薬やサプリメントは最低限に!(腎臓の負担になる薬剤紹介)
  • 禁煙と禁酒またはお酒は少量
  • 環境毒を避ける。

腎臓病治療の最新治療も紹介

主治医によっては指導が異なるかもしれないので、是非この本で最新知識を仕入れると良いのでは。

本の紹介

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。