西式健康法~温冷浴のコツ

西式健康法

  • 故・西勝造氏が編み出した健康法。
  • 炭鉱勤務を経てコロンビア大学に学び、当時の東京市電気局技師となり、上野ー浅草間の地下鉄敷設を担当した人物。
  • 17才で結核にかかり20才まで生きられないと言われ、古今東西の医学や健康法を研究。7万3000冊の文献を読破。現代医学をはじめ、漢方、鍼灸、ヨガ、カイロプラクティック、指圧呼吸法、冷水浴、乾布摩擦など362種の健康法を自ら試した末、よりすぐりのものを1927年(昭和2年)に西式健康法として発表した。
  • 甲田光雄先生(医師で西式甲田療法として多くの難病を治癒に導いた)によると西先生は大天才で、連日睡眠時間3時間あまりで過ごし、東京都土木技師としての正規の職務の他に、医学の研究や講演などの激務を消化されたとのこと。
  • 世界各国の文献を片っ端から読破検討され、独自の見解を加えて西医学を集大成した。膨大な文献の重要な箇所をすべて暗記されていた気の遠くなるような素晴らしい才能の持ち主だったとのことです。
  • 西先生は人間の平均寿命を120才にすることを目標に健康法を広められた。
  • 講演録によると当時の平均寿命45才前後であった。

西式健康法の目標

西式は精神的にも肉体的にも最高のものを作っていく。

精神面:悟り、迷いがない。 肉体面:無感

※無感とは、自分の胃や眼、あるいは鼻などがどこにあるのかまったく感じない。「胃がもたれる」「眼がかすむ」「肩がこる」「足が重い」など 、無感になれない人は健康で無い証拠です。

西式健康法の紹介コラムと動画

西式健康法のご紹介、運動の動画が見られます!

西式健康法 温冷浴

温冷浴とは、温かいお湯と冷たい水を交互に浴びることで、血行を促進し、自律神経のバランスを整える入浴法です。

手順(基本的なやり方):

  • 水14-15度の冷水(シャワーまたは浴槽)、お湯41-43度です。
  • 砂時計の1分計を使いながら、下記のように交互に入浴します。(1分計はamazon等のネットで購入、100円均一で防水のタイマー)
  • 水(1分)→湯(1分)→水(1分)→湯(1分)→水(1分)→湯(1分)→水(1分) →湯(1分)→水(1分)
  • 自宅には、浴槽は2つないので、シャワーで代用可・ベビーバスでもありです。
  • 必ず水から始めて、水で終わるようにしましょう。最初はとても冷たい水が難しければ冷水の時間を短めにしたり、足だけかけるだけでも良いです。
  • どうしても寒い場合には、8回目の温浴を長めにしても良いです。

温冷浴の主な効果

  • 高血圧の予防:いつも水にはいっていると、急な血圧上昇が起こりにくくなります。
  • 入浴後の湯冷めをしない。余分に汗をかかない。毛細血管がぐっと縮んで、体温を放散しないですむ。
  • 肌がきれいになる。皮膚は冷水では縮んで、お湯のなかで延びる。水のなかで皮膚がぐっと縮むときに汚れが落ちるので、石けんでこすらなくても皮膚のよごれがとれる。
  • 疲れがとれる。疲労回復効果がとても高い。血液のめぐりがよくなる。
  • 身体の中の酸とアルカリが並行する。冷たい水の中では交感神経が、お湯の中では副交感神経が働く。これを交互に行うことで、自律神経のバランスがとれて、自律神経失調症が良くなる。
  • 風邪を引かなくなる。冬でも薄着でいられるようになる。冷え性にも温冷浴が良い。

注意点とポイント

  • 食後すぐや飲酒後、体調が悪いときは避ける。
  • 発熱時は避ける。
  • 薬を服用中の場合には、担当医に相談してください。
  • 心臓病や高血圧、肝臓病、慢性腎不全などの持病がある方は、医師と相談の上で行う。
  • 急に冷水をかけると体に負担がかかるので、徐々に慣らすのが大切。
  • 頭の上まで冷水につかる必要はありません。

温冷浴のQ&A

寒がりですが、どうしたら温冷浴ができますか。

答え:寒がりの人は、温冷浴で、最後の水浴が終わって服を着てからも寒くて震えが止まりません、という人もいます。このような場合には冷水を25度くらいまで温度をあげて行うと寒さが少しラクになります。また、最後のお湯を5分から10分くらいと長めにして、最後の水は10秒と短くして終わると、寒くて辛いという事が無くなります。最初から無理はしないで良いです。出来ないとやめてしまうより、できる範囲でつづけていきましょう。そのうち、推奨される温度で出来るようになります。

温冷浴の時、水から先に入るのが辛いです。

答え:寒い中で冷たい水から入るのは、とても辛いと思います。でも、頑張って水の中に飛び込みましょう。水の中にゆっくりと沈んでいくのでは無く、思い切って水の中に飛び込んでしまう方が良いです。でも、どうしても水から入るのが辛いなら、最初はお湯からはいっても良いです。ただ、水から入るのには大切な意味があります。公衆浴場では、色々な病原菌がお湯の中に混ざっている場合があります。そこで、皮膚から病原菌が感染するリスクもあります。でも、水から入ると、皮膚表面の毛細血管を閉じて、血液が通らないようにしておくと、その後、病原菌に入りにくくなります。

冬の間の温冷浴のやり方

答え:水道水では、夏場は26~28度に水温が高くなるので、冷浴があまり出来ません。また逆に冬場は寒い地域では10度以下になってしまうので冷たすぎて入るのが難しくなります。甲田光雄先生は、井戸水を利用することをお勧めしていますが、現代ではそれは不可能なので、冬場の水道水にはお湯をくわえて15度程度になるように調整しましょう。

夏の間の温冷浴のやり方

答え:夏場の水道水は26~28度と高くなっているので、「なまぬるい」温冷浴になってしまいます。水の中に氷を足すという方法もありますが、毎日やるのは大変なので、無理しないでできる範囲でつづけましょう。

温冷浴をしていると身体を洗う必要がないのですか。

答え:温冷浴を毎日行っていると、温かいお湯の中では皮膚が伸びて、冷たい水の中で皮膚は縮みます。その時に皮膚表面の汚れは取れてしまいます。温冷浴を繰り返していると、皮膚のよごれはすっかりとれるので、身体を石けんでこする必要はありません。そもそも、皮膚を洗うのに、石けんで洗ってしまうと、皮脂を落としすぎて、皮膚のバリア機能をダメにしてしまいます。なので、温冷浴をしなくても石けんは使わない方が良いです。では何であらうのか?温冷浴をやっていればそれだけで身体を洗う必要はないですが、温冷浴が出来無い場合には、身体にオイルを塗って全身マッサージしてお湯で洗い流すのがお勧めです。頭をいつ洗うかですが、温冷浴の前か後、もしくは途中でお湯が終わったところで頭を洗い、その後冷水から再開して行くのもお勧めですが、特にきまりはありません。

ゆっくりと入浴してから温冷浴を行っても良いですか?

答え:ゆっくりとお湯につかると、入浴中に汗をかくことになります。入浴についてはあまり汗をかかない方法として温冷浴が推奨されています。入浴して足が温まったとしても、お風呂から出た後にまた冷えてきてしまいます。入浴だけでは冷え性は良くならないのです。でも温冷浴をしていると、冷え性が良くなっていきます。血の巡りが良くなり、疲れもいっぺんにとれます。なので、温冷浴の前に入浴する必要はありません。

冷浴の時間が、夏には長くなり、冬には短くなりますがよいですか?

答え:夏は冷水が気持ち良くて、2分間、3分間も入っているけど、寒くなってくると、冷水にわずか30秒くらい入ってすぐ出たくなります。でも、本当は冷水もお湯も1分間ずつ入るべきです。冷水では、交感神経が緊張して、体液は酸性に傾き、お湯の中では、副交感神経が緊張して体液はアルカリ性になります。これを繰り返すうちに、交感神経と副交感神経のバランスがとれるのです。それによって自律神経が調和して、自律神経失調症がよくなります。冷たい水の中にいると、1分間がとても長く感じられますが、あまり辛い辛いと思わずに、背腹運動で勧められている「良くなる能くなる善くなる」を唱えるとよいです。

まとめ

温冷浴は、自然な刺激を利用して心身を整えるシンプルな健康法です。特別な道具も必要なく、誰でもすぐに始められるのが魅力。1日約10分の温冷浴が、あなたの体と心を驚くほどリフレッシュさせてくれます。ぜひ、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

西式健康法入門―ほんものの健康を手に入れるために  西式健康法・西会本部 (著)

マンガでわかる「西式甲田療法」―一番わかりやすい実践入門書 甲田 光雄  (著)

健康養生法のコツがわかる本

  • 甲田光雄@こうだ・みつお
    1924年大阪府生まれ。2008年没。
    日本綜合医学会会長(5代目)。幼い頃から病弱のためさまざまな大病を経験。大阪大学の医学部に進学するも、
    自らの病を根治させることのできない現代医学を見限る。その後、実体験をもとに数多の民間療法を探究、
    ついに「断食」「生野菜食」「西式健康法」などを組み合わせた独自の医療哲学「甲田メソッド」の開発に至る。
    本作は甲田メソッドの実践・実行的集大成の普及版

断食博士の「西式健康法」入門―病気にならない秘訣

現代病は西医学で治る―自然治癒力を引き出す4原則6大法則実践法 もう薬だけには頼らない!

  • 薬に頼らず西医学健康法の実践を通して数々の現代病治療に当たってきた著者が教える現代人のための新しい健康読本である。毛管運動・背腹運動などの6大法則、生食・裸療法・朝食廃止などを実践すればあなたも家族も病気知らずになれる。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。