授乳中でも大丈夫?!禁煙外来のすすめ

授乳中でも大丈夫?禁煙外来のすすめ

赤ちゃんの健康を守るために「たばこをやめたい」と思っている方は多いですが、なかなか禁煙できないのは意志が弱いからではありません。その理由はニコチン依存症という“病気”だからです。

禁煙が難しいのは「ニコチン依存症」だから

たばこに含まれるニコチンは、脳の「大脳辺縁系」にあるニコチン受容体に結びつき、「ドパミン(快楽物質)」を放出させます。長期間の喫煙で、脳はニコチンなしではドパミンが出ない状態になってしまいます。

この状態になると、ニコチンの血中濃度を保とうと脳が命令を出し、吸いたい気持ちが止まらなくなります。ニコチンが切れるとイライラしたり、集中力が下がったりする離脱症状もつらいものです。

授乳中でも使える禁煙サポート

授乳中の禁煙で心配なのは、「薬を使っても大丈夫か」という点です。禁煙外来では、ニコチンパッチなどの医療用補助製剤が使われることがあります。これは、吸いたくならない程度のニコチンを肌から補給するもので、急なニコチン切れによる不快な症状をやわらげてくれます。

授乳中でも使用可能とされているニコチン代替療法がありますが、必ず医師と相談した上で使用してください。

授乳中でも安心!禁煙外来の利用

禁煙外来では、医師のサポートのもと、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬を使用して禁煙を助けてくれます。これは吸いたくならない程度にニコチンを補給することで、離脱症状を軽減し、無理のない禁煙を可能にします。

授乳中でも使用可能な治療法がありますので、自己判断せず医師に相談しましょう。

授乳中でも母乳はやめないで

たとえ喫煙を続けていたとしても、母乳育児はやめない方が良いとされています。母乳には赤ちゃんにとって必要な免疫成分や栄養が含まれており、喫煙による影響よりも、母乳を与えるメリットの方が大きいという報告が多数あります。

もちろん禁煙することで、赤ちゃんの健康へのリスクをさらに下げることができます。禁煙を目指しつつ、すぐにはタバコをやめられなくても、赤ちゃんの健康のためにも授乳を続けていきましょう。

スマホで禁煙サポート!おすすめ禁煙アプリ

禁煙を続けるための新しい味方が禁煙アプリです。スマホ一つで、日々の記録や励まし、健康効果の見える化ができ、禁煙のモチベーションを保てます。

  • QuitNow!(iOS / Android)
    禁煙を開始してからの経過時間、節約したお金、回復した健康状態などをリアルタイムで表示。世界中のユーザーと励まし合えるコミュニティ機能も。
  • みんなで禁煙(Android)
    厚生労働省研究班監修。日本語対応で、日々の吸いたくなった気持ちや、失敗の記録もできる。禁煙外来と併用しやすい。
  • 禁煙ウォッチ(iOS/Android):禁煙日数、節約金額、健康回復度などを可視化してモチベーションを保てるアプリ。基本的には、禁煙の記録が主です。
  • QuitNow!:禁煙達成ごとのバッジ獲得、SNS連携機能あり。英語表記だが直感的で使いやすい。
  • 卒煙式(そつえんしき):対応:iOS / Android、主な機能:禁煙日数や節約金額の記録、ご褒美(目標)を設定して達成感を可視化、スタンプやグラフでやる気を維持
    おすすめポイント:ゲーム感覚で楽しく続けられる工夫が満載
  • Smokefree(スモークフリー)対応:iOS / Android 言語:英語(シンプルで読みやすい)主な機能:禁煙日数、節約金額、健康回復状況などをリアルタイム表示毎日の課題(心理療法に基づく)で行動変容を支援おすすめポイント:世界中で高評価。科学的根拠に基づいた禁煙支援
  • みんなの禁煙アプリ:日本語でわかりやすく、医療的根拠に基づいた情報が得られる。禁煙外来とも連携しやすい。
  • 禁煙駅伝:禁煙駅伝は、禁煙の目標の達成状況をグラフで見える化できるアプリです。同じアプリを使用しているユーザーのランキングも表示されます。コメントを書いたり「いいね」を付けたりすることも可能です。お互いにコミュニケーションを取って励ましあえるので、モチベーションアップにつながるでしょう。禁煙を“駅伝”になぞらえて楽しく続けられる日本発アプリ。途中で吸ってしまってもリセットではなく「リカバリー」として記録を継続可能。
  • kwit(クウィット):無料版と追加で有料にすることも出来ます。禁煙をメンタルケアしてくれるアプリ。Kwitのアプリケーションは、WHO (世界保健機関) によって調査され、禁煙を実行するのに最適なアプリである、と評価されています。
    禁煙を始めたばかり、もしくは卒煙しようと決心したところでしょうか?でも、モチベーションを保つのは大変ですよね。Kwitはそんなあなたに最適のアプリです!今の吸いたい気持ちを、キャラクターが質問してくれるので、10段階で表現したり、ニコチンの離脱症状の辛い気持ちを、日記にして毎日書き込めたりできる。アプリのキャラクターのデザインが可愛くて、開くたびに優しく声をかけてくれるので、癒される。

これらのアプリは、通院の合間や日常の中で禁煙意識を高める心のサポーターになります。

禁煙を「ひとりでがんばらない」ために・「自分を責めない禁煙」を

「たばこがやめられないのは、自分の意志が弱いから」「だめな人間だから」と思い込んでいませんか? それは間違いです。あなたが悪いのではありません。やめられないのはニコチン依存症という病気であり、治療とサポートが必要です。禁煙外来やアプリなどのサポートを活用して「完全に吸わない生活」を目指していきましょう。禁煙外来では、医師があなたの状況にあわせて、無理のない禁煙計画を立て、薬の処方や継続支援を行ってくれます。授乳中でも安全に禁煙できるよう、サポートします。

子どもと自分の未来のために、今、一歩踏み出しませんか?

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。