実は“良いお産”こそが最強の少子化対策?!

帝王切開お産の感想の紹介

2人目のお産で今回初めてゆいクリニックで出産しました。1人目の出産はコロナ禍で立ち会いや面会も出来ず、さらに出産時に妊娠高血圧症になってしまい緊急帝王切開での出産でした。入院中は傷の痛みがキツくて夜も眠れず、毎日泣いてばかりで辛かったのを覚えています。

また同じような出産はイヤだなと思っていたところ、知り合いに「ゆいクリニックでは立ち会いや面会も出来るよ」と教えてもらい、30週の時に転院してきました。手術の前日からは緊張と不安でよく眠れないまま当日を迎えましたが、助産師さんがとても親切に迎えてくださり、手術の準備や説明も丁寧に対応してくれたので、オペ室まで安心して行くことができました。助産師さんが何度も「大丈夫だからね!」と声をかけてくれ、手を握ってくれたことが本当に救いでした。

無事に手術も終わり、術後の助産師さん達の心づかいや親切な対応のおかげで産後もゆっくり過ごすことができました。1人目の時の産後とは自分でも驚くほど、傷の痛みも軽く回復も早かったです。もともと「今回が最後のお産」と決めて来たはずが、「ゆいクリニックで産めるなら、後1人頑張ろうかなって考えている自分がいたのでビックリしてます(笑)」と思えるほどでした。

それくらい素晴らしいクリニックで、毎日おいしいご飯を提供してくれたキッチンさんや、お掃除をしてくださる方々にも感謝でいっぱいです。この度はたくさんお世話になりました。本当にありがとうございました。Big love♡♡

コラム:良いお産は少子化対策になりうるか?

日本の少子化対策というと、お金の支援や保育所の整備など「制度」の話が中心になりがちです。しかし実際に「もう1人産もう」と決めるのは、お母さん一人ひとりの心です。今回のお産の感想のように、それまで「もう出産はこりごり」と思っていた方が、良いお産の体験を通して「あと1人なら頑張れるかも」と気持ちが変わることがあります。

1人目の出産で強い痛みや孤独、恐怖を経験すると、その記憶は「次の妊娠へのブレーキ」になります。逆に、2人目以降で「痛みが和らいでいた」「スタッフが優しく寄り添ってくれた」「安心して手術や分娩に臨めた」という体験があれば、その記憶は「アクセル」になります。今回のように、帝王切開であっても、助産師さんの声かけや丁寧なケアが安心感をもたらし、「もう1人産んでもいいかな」という前向きな気持ちにつながりました。

つまり、良いお産の積み重ねは、単に1人の赤ちゃんを迎えるだけでなく、将来の第2子・第3子につながる可能性があります。これは、金銭的支援だけでは生み出せない効果です。妊娠中から産後まで、安心して相談できるスタッフがいて、パートナーや家族も参加しやすく、入院生活が「つらいだけの時間」ではなく「大切な思い出」として残ること。そのような環境づくりこそが、長い目で見れば少子化対策の一つになり得ます。

医療機関にとって「安全なお産」を提供することは大前提ですが、その先にある「満足できるお産」「またここで産みたいと思えるお産」を目指すことが、これからの産科医療に求められているのではないでしょうか。今回の感想は、良いお産の体験が、お母さんの人生の選択と、日本社会の未来の両方に影響を与えうることを教えてくれています。

コラム:良いお産は少子化対策になりうるか?

日本の少子化対策は、経済支援や保育制度の拡充など様々な政策が進められていますが、実際に「もう1人産もう」と決めるのはお母さん自身の気持ちです。今回のように、つらいお産の記憶が、安心できるお産体験によって上書きされることで「もう1人なら産んでもいいかも」と思えることがあります。

良いお産は、痛みや恐怖が軽減されるだけでなく、スタッフの優しい声かけや丁寧なケアで、お母さんに大きな安心を与えます。その安心感こそが、次のお産へ進む原動力になります。これは金銭的支援だけでは生み出せない大切な効果です。

ただし、こうした心理的なサポートだけでは限界もあります。よく「お産費用が保険適応になれば子どもが増えるのでは?」と言われますが、正直なところ、お産費用が少し安くなる程度では出生率は上がらないと感じています。出産・育児には長期間にわたる生活費や教育費が必要です。少額の支給ではなく、「子どもを産んだら1人につき1,000万円くらい支給する」 という圧倒的に大きな支援がなければ、本当の意味で少子化対策にはならないのではないかと思っています。

現在、国が行っている少子化対策としては、主に以下のような取り組みがあります。

  • 児童手当の拡充
  • 保育料の無償化
  • 出産育児一時金の増額
  • 育児休業制度の柔軟化・給付率の改善
  • 不妊治療の保険適応
  • 学童保育の拡充
  • 高校・大学の無償化対象の拡大

これらは一定の効果があるものの、根本的に出生率を回復させるにはまだ力不足だと言われています。実際に子どもが増える環境とは、心理的な安心・家族のゆとり・強力な経済支援 の3つが揃って初めて成立します。良いお産はそのうちの「心理的安心」に大きく貢献していて、出産に対する恐怖心の軽減や、2人目・3人目へ進む前向きな気持ちを育ててくれます。

医療機関が提供する「安心して産める環境」と、国が提供する「安心して育てられる経済支援」。この2つが揃うことで初めて、少子化に歯止めがかかるのかもしれません。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。