口呼吸をやめてインフルエンザ対策 今日から始める「あいうべ体操」
今井一彰先生が提唱する「あいうべ体操」とは
近年、テレビや書籍、医療現場でも注目されている「あいうべ体操」。これは福岡県のみらいクリニック院長である今井一彰(いまい かずあき)先生が提唱した、口の周りと舌の筋肉を鍛えるシンプルな体操です。特別な道具や場所を必要とせず、子どもから高齢者まで誰でも簡単に取り組めることが大きな特徴です。
今井先生は、この体操を単なる口の運動ではなく、人間が本来持っている最も健康的で自然な呼吸法である「鼻呼吸」を取り戻すための習慣と位置づけています。
知らないうちに陥っている「口呼吸」の危険性
テレビを見ているとき、スマートフォンを操作しているとき、無意識のうちに口がポカンと開いていませんか。実はこの何気ない癖が、私たちの健康に大きな影響を及ぼしている可能性があります。
ある調査では、日本人の約9割が口呼吸のリスクを抱えているとも言われています。もはや一部の人だけの問題ではなく、多くの人が気づかないうちに健康を損なう習慣を持っているのです。
鼻は「高性能な空気清浄機」
鼻は、ウイルスや細菌、ホコリをブロックし、空気を温めて潤すという重要な役割を担っています。いわば「高性能な空気清浄機」と「加湿器」が一体となった存在です。
一方、口にはこうした防御機能がありません。口呼吸になると、冷たく乾いた空気や病原体が直接体内に入り込み、感染症にかかりやすくなってしまいます。
口呼吸がもたらすさまざまな健康リスク
口呼吸は、次のような不調を引き起こす可能性があります。
- 免疫力の低下による風邪やインフルエンザの罹患
- アレルギー症状の悪化
- 虫歯や歯周病のリスク増加
- いびきや睡眠の質の低下
- 集中力低下や精神的な不調
特にお子さんの場合は、顔の骨格や歯並びの形成にまで影響を及ぼすことが指摘されています。
あいうべ体操のやり方
あいうべ体操は、「あ・い・う・べ」と口と舌を大きく動かす体操です。
①「あ」:口を縦に思いきり大きく開く
②「い」:口角を横にぐっと広げる
③「う」:唇を前に突き出す
④「べ」:舌を前方かつ下に思いきり出す
この4つで1セット。1日30回を目安に行います。1セットは約4秒ほどなので、すべて行っても3分弱。声は出しても出さなくても構いませんが、口と舌をしっかり動かすことがポイントです。
なぜ鼻呼吸につながるのか
あいうべ体操を続けることで舌や口周りの筋肉が鍛えられ、舌が本来あるべき上顎の位置に収まりやすくなります。すると自然と口が閉じ、無意識のうちに鼻呼吸が定着していきます。
科学的に裏付けられた効果
朝日大学や鹿児島大学の研究では、あいうべ体操を1年間継続した子どもたちの口唇閉鎖力が大きく向上し、口元が引き締まったという結果が報告されています。
さらに、ある小学校であいうべ体操を導入したところ、インフルエンザの罹患率が2年後には8分の1にまで激減したというデータもあります。周辺校でインフルエンザが大流行した際も、実践校では罹患率が低く、学級閉鎖が一度も起こらなかったと報告されています。
期待される効果
- 口呼吸の改善と鼻呼吸の定着
- 風邪やインフルエンザなど感染症予防のサポート
- いびきや睡眠の質の改善
- アレルギー症状の軽減
- 歯並びや口腔環境の改善
- 表情筋が鍛えられ、表情が豊かになる
毎日の習慣として取り入れよう
あいうべ体操は、お金も道具もいらない、1日たった3分の健康習慣です。歯磨きの後や入浴後など、続けやすいタイミングを決めることで無理なく継続できます。
呼吸を変える力は、誰の中にも備わっています。シンプルだからこそ、毎日コツコツ続けることが健康への近道です。ぜひ今日から、あいうべ体操を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。


