慢性炎症と運動の効果:見えない炎症を「動いて」鎮める
慢性炎症(low-grade inflammation)は、痛みや発熱などのはっきりした症状がないまま、体の中で弱い炎症が長く続く状態です。放置すると動脈硬化、糖尿病、脂肪肝、免疫の乱れ、認知機能低下など、さまざまな不調や病気の土台になり得ます。「健康診断で大きな異常がない」「CRPが基準内」でも、生活習慣の影響で“くすぶる炎症”が続いていることがあります。
慢性炎症が起こりやすい要因
慢性炎症は、運動不足・内臓脂肪の蓄積・睡眠不足・ストレス・加工食品や糖質過多・腸内環境の乱れなど、日々の生活の積み重ねで起こりやすくなります。特に内臓脂肪は炎症性物質を出しやすく、体内の炎症を“静かに”持続させる要因になり得ます。
運動が慢性炎症に効く理由
運動は「消費カロリー」だけの話ではありません。筋肉を動かすことで、筋肉由来の生理活性物質(マイオカイン)が分泌され、炎症のバランスが整いやすくなることが知られています。また、運動による内臓脂肪の減少、血流改善、自律神経の安定、睡眠の質の向上などが重なり、慢性炎症を下げる方向に働きます。
どれくらい運動すればいい?:週140分以上が目安
慢性炎症対策としては、まず「続けられる運動量」を確保することが大切です。目安として週140分以上の運動(例:1日20分×週7日、または30分×週5日など)をおすすめします。内容は、早歩きなどの中強度の有酸素運動を中心に、可能なら週2回程度の筋トレ(スクワット、かかと上げ、軽いダンベル等)を組み合わせると効果的です。きつすぎる運動は続かないだけでなく、体調によっては逆効果になることもあるため、「会話はできるが息は少し弾む」くらいの強度から始めましょう。
続けるコツ
①まずは「週140分」を分割して達成(10分×14回でもOK) ②通勤・買い物で歩数を稼ぐ ③筋トレは短時間で良いので習慣化(週2回) ④睡眠と食事もセットで見直す——この4つが継続の鍵です。体重が大きく変わらなくても、体内の炎症が落ち着いて体調が整ってくるケースもあります。
関連コラム:慢性炎症を防ぐ生活習慣(腸活・睡眠・食事)
慢性炎症は運動だけでなく、腸内環境・睡眠・食事の影響も大きいテーマです。あわせて、当院の関連コラムもご覧ください。
[院長コラム] CRP正常でも要注意?慢性炎症を防ぐ腸活・睡眠・食事の見直し方 | ゆいクリニック (沖縄市の産婦人科)
動画で学ぶ:慢性炎症と運動
まとめ
慢性炎症は“見えないリスク”ですが、日々の選択で下げられます。特に運動は、抗炎症の仕組みを直接動かす強力な手段です。まずは週140分以上を目標に、無理なく続けられる形から始めてみましょう。体調や持病がある方は、症状に合わせて運動内容を調整することも大切です。


