出生前診断をする妊婦さんはどれくらいいますか?多いですか?(ぐしかわ看護学校学生さんからの質問)

質問:出生前診断をする妊婦さんはどれくらいいますか?多いですか?

答え:当院では超音波検査は妊婦健診で行っており、これも出生前診断に広い意味では含まれますが、染色体異常を見つけるための羊水検査や絨毛検査などは行っていません。一般的には、出生前診断は、胎児の染色体異常の診断のための検査だと認識されていますよね。

羊水検査や絨毛検査などの出生前診断をどのくらいの人が受けているかということははっきりしないのですが、母体の血液検査で胎児染色体異常の可能性を検査出来る新型出生前診断(NIPT)ではどのくらいの人が受けているか、その中でどれだけ検査で異常が見つかったかなどと言う数値は発表されています。NIPTに関しては、2013年から2019年までの6年半で65000人が検査を受けたという報告があります。ただ、現在検査を行って良いという認定をうけた施設だけで無く、無認可の施設が増えており、今後は検査実数の把握は難しくなりそうです。

出生前診断を希望する方は、どうして検査を受けたいと思うのか、検査で異常があったらどうしたいのか、を受ける前に良く考えることをお勧めしています。先日のコラムで、出生前診断に関連して本を紹介しましたので、そちらも良かったらご覧下さい。https://www.yuiclinic.com/information/6746/

また検査について、しっかり考えられる資料が公開されていますので、出生前診断を受けたいまたは受けようか悩んでいるという方は是非ご覧下さい。出生前検査について相談に行く前に、考えておきたいこと、整理しておきたいこと

https://www.clg.niigata-u.ac.jp/~arimori/kaken/wordpress/wp-content/uploads/2018/10/9a235d235b17dc4b185016f93c39c91e.pdf

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。