妊娠初期の出血が心配です。

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質問:現在妊娠7週3日目です。月曜日に無事心拍が確認出来ました。胎芽は1cmくらいで、左の卵巣が腫れていますが、経過観察で問題はないと診断を受けました。ただ5週後半からずっと生理おわりかけくらいの量の茶褐色の出血が続いており不安です。診察では妊娠初期にはよくあることで心配はいらないと説明されましたが、流産の心配はないのでしょうか?

答え:

出血が続いていてご心配のことと思います。実は、産婦人科を訪れる全妊娠のうち、10~20%くらいは流産となります。流産は決してめずらしくはありません。その流産の原因のほとんどは、妊娠した卵そのものであることが多いのです。(たまたま出会った卵と精子の組み合わせが悪く、染色体異常のことが多いのです。)
もともと育たない妊娠が、自然淘汰によって流れるようになっているのです。
妊娠初期に流産するよりも、さらに少量の出血することはとても多いです。流産か、正常に妊娠経過していくかの分かれ目は、出血があるかどうかではなく、妊娠した袋(胎嚢)に胎児心拍(心臓の動き)がみえてくるかどうかで、決まってきます。心拍さえ見えてくれば、多少出血があろうと流産する可能性はかなり少なくなります。出血がなくても、妊娠7週までに心拍が見えてこなければ、赤ちゃんが育っていないため、その後の流産の可能性を強く疑います。妊娠初期の出血に対して、止血剤、女性ホルモン、子宮収縮をとめるお薬など、いくつかの治療薬はありますが、流産を防ぐ効果がはっきりと認められている薬はないため、お薬での治療はあまり期待できません。
従って、出血があっても、自宅で様子をみて構いません。妊娠7週目で胎芽心拍も確認出来ているのであれば、今のところ順調です。ただし、非常に強い腹痛がある、出血がとても多い、などの症状があり心配であれば、受診した方がよいかどうか、電話で相談してみてください。

また、出血していると安静が必要なのではないかと心配になるかと思います。上述したように、流産するか、順調に育つかは、受精卵が育つ力があるかどうかにかかっています。妊娠中には特別な安静は必要ありません。妊娠初期に、妊娠に気づかずに毎日ジョギングをしていた人とそうでない人との間には流産の頻度は、ほとんど同じだったという報告もあります。お腹の赤ちゃんを大事にすることは大切ですが、体調がよければお産にむけての体力づくりのために、むしろ気持ちよく体を動かす運動を毎日することがお勧めです。妊娠中の運動としては、ウォーキングやヨガなどがお勧めです。もともと妊娠前から運動をしていた人はそれを継続されて良いです。一般的には瞬発力を必要とする運動(バドミントンやテニスなど)は、妊娠前から行っていたのであれば続けてかまいませんが、そうでなければあまりお勧めしません。

 

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。