逆子をなおす外回転術について、動画で紹介します。

逆子の場合には、帝王切開でのお産をすることが多いですが、外回転術で逆子をなおすことができる場合があります。

逆子についての説明の動画

実際に外回転術を行ったところを動画で撮影しましたのでご紹介します。

 

骨盤位外回転術の成功率・逆子の外回転2016.7.30院長日記より一部訂正あり

骨盤位(逆子)の場合には、分娩時に赤ちゃんにトラブルがおこることがあるので、帝王切開分娩が選択されることが多いです。
けれどもそれでは約3%くらいが帝王切開での分娩となります。
ゆいクリニックでは開院当初から、骨盤位の場合に36週にはいったところで、外回転術を行ってきました。
どうしても逆子のままもどらなかった人もいて、成功率は8割程度でしたが、それでも逆子が治った人はみんな経腟分娩できたので、外回転はトライする価値はあると思います。(2016年以降、逆子が治った後、お産時に赤ちゃんの心拍低下があり、帝王切開で出産された方がいました。)
外回転術は施術の刺激による切迫早産や早産、常位胎盤早期剥離などのリスクがあるので、施術自体を行わない施設も多いですが、リスクはあっても、帝王切開を避けられる効果は大きいと考えてゆいクリニックでは行っています。
うんと早い週数でやらないとまわらないので早い週数で行った方が良いという意見もありますが、早産や切迫早産が心配なので、36週で行っています。
36週では赤ちゃんも大きくなってなかなかまわらないのではないかという意見もありますが、うちでは今まで8割の成功率でした。

経産婦さんで何度も骨盤位になってなんと3~4回くらい外回転術をおこなった方もいました。
あんまり逆子になるし予定日も過ぎて羊水も少し少なくなってきているので、翌日陣痛誘発しましょうと、41週にはいって外回転したときにこれが最後と思って入院を予定して、翌日朝に入院したときに、また逆子になっていたのはびっくりでした。
入院後再度外回転術を行い、そのまま陣痛誘発をおこなって無事にお産になりましたが、あんまり逆子になるので、この赤ちゃんは逆子で生まれてきたいのかしら、と思ったほどでした。
そのまま回さない方が良いのかしら?
結局無事に頭が下で出てきてくれたので本当に良かったです。

今年も初産婦さんで外回転が厳しいのではないかと思われて、かなり大変な思いをした方が、お二人頭位になって経腟分娩出来た方がいました。
一人の方は、外回転も怖いから今回は帝王切開でと言われていたのですが、
「何人くらい子どもが欲しいの?」
「3人くらい欲しいかな。」
「そのたんびにおなかを切るの?」
というやりとりの末、外回転を頑張ってみることになりました。
当院では帝王切開分娩後の経腟分娩トライは行っていません。また帝王切開後の経腟分娩を受け容れる施設も少なくなってきているので、一回帝王切開で分娩した場合には次回帝王切開分娩となる可能性がかなり高くなります。
ですので、リスクはあるけど、外回転術はトライする価値はあるかと思います。

この方は、実際外回転はかなり大変でした。施術中にもう無理と思いつつ、頑張ったところで、なんとか頭位になって、お産もかなり大変でしたが、なんとか無事にお産となりました。結果がうまくいったので本当に良かったと思います。

ところがその後ここ数ヶ月、外回転でうまく頭位にならないケースが続いて、逆子での帝王切開のお産が先月ありました。
そして今月、3連続で外回転不成功で骨盤位のままです。
皆さん帝王切開分娩を希望されたので、逆子が理由での帝王切開分娩の予定となりました。

今までかなりの成功率だったので3回連続不成功だったのは残念ですが、これをきっかけに外回転のことを調べてみたのでした。
2016年7月までに外回転術をトライした人は36人でうち一人は3~4回外回転をおこなった経産婦さんでした。
また、逆子で帝王切開を行った人は今月までで6人でうち一人は最初から外回転術は行いませんでした。羊水量が少なく、おなかも余裕がなくって外回転術は無理だと判断したからでした。
上記の数には今月外回転不成功だった3人の方は含めていません。
この方達もこれからなんとか自然にまわってくれないかと思っているところです。

ここまでが、2016年7月の記事でした。

2020年に逆子のお産がありました。

その後は逆子の外回転成功率はもっと下がってきています。また、2020年には初産婦さんで逆子のままお産をされた方がお二人いました。逆子のお産は赤ちゃんがお産時に酸素不足になってしまい、脳性麻痺や亡くなってしまうというリスクはありますが、お産時に上手に息みを逃して、赤ちゃんの身体が十分に出てきたところで一気に息んで赤ちゃんの頭を出してあげると、赤ちゃんの酸素不足のリスクは少なくなります。お産前に産婦さんにそのあたりを理解してもらって、夫に支えてもらって上手にお産されました。

ゆいクリニックでは開院以来逆子のお産は8例くらいです。多くはないですが、帝王切開のリスクとお産のリスクをよく考えてもらって、お産方法を産婦さんとよく相談しています。

以上逆子のお産と外回転術についての紹介でした。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。