当院の逆子治療

妊娠経過中、逆子になることがあります。逆子になる理由は明らかになっていませんが、身体の冷えが関係していると言われています。多くは自然に頭位に戻るのですが、36週を過ぎても逆子の場合、当院では外回転術という治療を行います。外回転術とは、お腹の上から手で赤ちゃんの姿勢を頭位に変える施術です。詳しくはこちらの動画をご覧ください。

下記のグラフは、これまでのゆいクリニックにおける年間の外回転を施行し、それぞれ成功と失敗した症例数です。

開業して数年は外回転は全例成功していますが、2016年以降は成功率55~75%になっています。外回転が成功しなかった場合は、逆子のままお産をするか、帝王切開でお産をするか相談します。また、逆子だけど外回転術を行わずに帝王切開を行った方もいます。

その他の逆子治療

一般的に逆子の対応として逆子体操が勧められています。胸膝位という姿勢を数分間していくというものですが、島袋は、これはあまり効果がないと思います。

他にも逆立ちの姿勢も進めたりもしました。

今は逆子対策の体操としては、合掌合せき体操を島袋はお勧めしています。これはしっかりやるとすごく良いと思います。妊娠前、妊娠初期と早ければ早いほどよいかと思います。

妊婦さんにお勧めの運動:西式健康法の合掌がっせき運動、毛管運動、膝立金魚運動

当院で行った帝王切開のうち、約半数は前回帝王切開という理由で帝王切開でした。そして約10~20%が逆子による帝王切開です。その他は分娩進行停止や赤ちゃんの心音低下による帝王切開でした。

当院で逆子のお産(骨盤位経腟分娩)は今までに7件ありました。うち一人の産婦さんは2回逆子でお産しています。なので、7件中2件は同じ産婦さんのお産でした。初産婦さんでも逆子でお産して無事にお産された方が4件です。逆子のお産はリスクもありますが、慎重に経過をみながらお産の支援を行っています。

当院での帝王切開率は、2019年分娩件数142例、帝王切開18例、12.7%、2020年では、分娩件数228例、帝王切開25例、10.9%でした。

逆子の説明

 

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。