ピルを使うと不妊になってしまうと聞いた事があるのですが、本当ですか?ピルの副作用は?

質問:ピルを使用することで不妊になってしまうと聞いた事があるのですが、本当ですか?ピルの副作用はどんなことがあるのですか?

答え:長期に低用量ピルを内服したとしても、その後の妊娠には影響しないと報告されています。ピルの内服を止めると1〜3ヶ月間かけて自然な月経周期が回復し排卵がおこるようになり、妊娠が可能になります。低用量ピルを内服したからといって不妊症になる心配はありません。

※もともと月経不順があった場合にはピルをやめて、また元の月経不順の状態になることがあります。

ピルで将来的な不妊をむしろ予防できる!

ピルは避妊薬だから、飲み続けていると妊娠しづらい身体になるのではないかと心配される方もいます。でもその心配はありません。生理の周期は一生の間に、昔の人にくらべてたくさん起こってきています。昔の人は、5,6人出産していました。10人以上もざらでした。出産して月経が再開しないままに、次の妊娠をすることも多々有りました。現代では、子どもは1人か2人、出産しない人も多くなっています。月経の回数がとても多く、月経困難症の方も多いです。そして、子宮内膜症も増えています。たくさんの月経が起こることが体の負担につながってしまいます。低用量ピルで排卵を抑えて子宮を休ませることによって、子宮内膜症を予防することができ、将来的な不妊も予防できると考えられます。

ピルで月経コントールされていた澤穂希さん

女子サッカー選手の澤穂希さわほまれさんは、30歳の頃からは大事な試合に当たらないようピルを服用し、周期をコントロールしていたそうです。15年8月に結婚して、12月に現役引退後、ピル内服をやめてすぐに妊娠して、17年1月に第1子を出産されました。このことは産婦人科の学会で澤さん自身がお話しされたそうです。是非ピル内服に不安を感じる若い女の子と達につたえたいのでお話しして良いですよ、とお話されたそうです。スポーツをされている人は月経周期で結果に影響を受けたりします。また学業でも大切な試験と月経が重なって最大限に力を発揮できないという事も起こりえます。ですから、若い女の子と達がピルで月経困難症、月経周期をコントロールできる低用量ピルを利用しない手はないかと思います。

ピルの副作用

ピルの副作用としては一般的に、吐き気、不正出血、むくみ、時に性欲低下などが起こりえます。でも、効果として肌荒れや月経痛の緩和などがあります。また、とてもまれですが、血栓症が起こることがあるので、血栓症を疑うような症状があったら、いったんピルをやめないといけません。ただし、血栓症はとてもまれで、血栓症のリスクの上昇はごくわずかで、妊娠でのリスクの上昇にくらべて十分の一程度だとも言われています。

避妊や生理痛(月経困難症)のためにピルを内服する方へ

ピルによる避妊

ピルを内服しながら、腸内環境改善を!

ピルを内服すると、腸内環境が悪くなる場合があります。また、生理痛があってピルを内服している場合、妊娠を希望して内服をやめると、もともと生理不順や月経困難症があった場合、元通りになってしまう可能性もあります。そうならないためにも、ピル内服中でも、腸内環境改善に取り組みましょう。(ピルだけでなく、胃薬や痛み止めなど常用すると腸内環境が悪くなって、免疫力が落ちたり、様々な病気にかかりやすくなる可能性があります。

腸内環境を良くしましょう!

ピル内服終了して妊娠トライする場合には葉酸サプリメントをとりましょう!

ピル内服終了後すぐに妊娠しても問題ありません。

ピル内服終了前から葉酸サプリ(海外産や自然な葉酸など)をとることを勧めます。詳細はこちら

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。