お父さん(パパ)が赤ちゃんにミルクをあげたい!

パパが、もしくはお兄ちゃんやお姉ちゃんが赤ちゃんにミルクをほ乳瓶であげたい、という要望を聞くことがあります。授乳することが積極的な育児参加のイメージがあるかもしれません。でも、人工乳はお薬のように、どうしても必要な場合にあげる物です。人工乳を一回でもあげると、赤ちゃんの腸内環境はビフィズス菌優位から大腸菌優位に変わってしまいます。また、哺乳瓶の中味が搾乳母乳だったとしても、赤ちゃんが「乳頭混乱」してしまい、おっぱいの飲み方とほ乳瓶の飲み方が違うため、おっぱいに吸い付かなくなってしまうこともあります。

ゆいクリニックでは、一回だけほ乳瓶で搾乳母乳をあげたことで、それまで順調のおっぱいを飲んでいた赤ちゃんがおっぱいに吸い付かなくなってしまい、お母さんのおっぱいはパンパンに腫れ上がって、入院してのサポートが必要になったという方がいました。

動物の赤ちゃんは、人工乳か母乳か選ぶということは基本的にはありません。人工乳の歴史もまだたかだか100年ちょっとです。人工乳はどうしても必要な場合のお薬を与えるようにとらえるのがおすすめです。

授乳以外でも育児で参加できることはたくさんありますよね。

ゆいクリニックではお父さんの早期接触をお勧めしています。これはお兄ちゃんお姉ちゃんでも一緒にお風呂に入ることでできると思います。

早期接触

お父さんの早期接触の実際

お父さんの早期接触

早期母子接触

早期母子接触

母乳育児がうまくいくための 10 のステップ
「母乳育児成功のための 10 カ条」2018 年改訂版
WHO/UNICEF:The Ten Steps to Successful Breastfeeding, 2018

9. 哺乳びん、人工乳首、おしゃぶりの使用とリスクについて、母親と十分話し合う。

1989年母乳育児成功のための10ヵ条

9. 母乳で育てられている赤ちゃんに, 人工乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう.

 

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質問:プラスチック製ほ乳瓶は体に悪影響があるのですか。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。