水素点滴と水素療法

水素とは

水素原子(H)は、地球上で最も軽く、最も多く存在する原子です。一般的に水素と呼ばれる場合、水素原子が2つ結合し安定した、ガス状の水素分子(H2)のことです。水の電気分解はもちろん、石油ガスや天然ガスなどの化石燃料の分解からも得ることができます。そのため、豊富なエネルギー源として注目されます。エネルギー源として注目される水素ですが、近年医療への応用も行われています。

酸素と活性酸素とミトコンドリアの関係

私たちが生きていく中で、酸素は必要不可欠であり、空気の成分である酸素が無ければ、私たちは生きていけません。そして、呼吸によって得られた酸素は体内に取り入れられ、栄養素を燃焼させる細胞の働きによってエネルギーへと変えられます。その過程の中で「活性酸素」という物資が生まれますが、過剰な活性酸素は老化や病気の引き起こすことが分かっています。

私たちの体内(細胞)には「ミトコンドリア」という器官が存在します。ミトコンドリアは体内に取り入れられた栄養素を、生きていくために必要なエネルギーに変えます。しかしながら、生命活動に必要なエネルギーを作り出すと同時に「活性酸素」も副反応として作ります。発生した活性酸素の中で、身体に害をなす活性酸素が、遺伝子、細胞、組織を破壊し、それによる機能障害が数々の疾患を引き起こします。また、活性酸素が過剰に発生すると老化やがん、腎障害、動脈硬化、白内障などの病気を引き起こすことになります。

体を「サビさせる」活性酸素を除去する水素

過剰な活性酸素は、金属がさびるように身体を老化させます。いわば、体がさびてしまうのです。活性酸素は身体を活動すると必ず発生します。けれども過剰に身体に作られる活性酸素は、シワ、シミなどの肌の老化、動脈硬化、がん細胞を作ったりする原因となる厄介な物質です。
そしてこの活性酸素は 年を取るにつれて大量に作られるようになってくるのです。

また、長距離移動や強度の高い運動等によっても 活性酸素は増加し、体を酸化させて行きます。

水素は 強力な抗酸化力で活性酸素を除去し、体調の改善や炎症などで衰えた肌の回復に効果が期待できます。

活性酸素が体中の細胞を酸化させて、老化や疲労,病気の原因になります。

活性酸素によって細胞が攻撃されると、細胞膜の脂質が酸化して、細胞が栄養と老廃物の出し入れをスムーズにできなくなり劣化していきます。また、細胞の核の遺伝子が傷つけられて、細胞が変異したり、死滅したりします。更には 動脈硬化を加速させて血管の老化を促進します。

何となく肌ツヤがなくなったり、疲れやすく、少し走っても息が切れるなどの症状がある場合には、細胞単位で酸化が進み、過剰な活性酸素で、体内がサビ始めたサインかもしれません。

年をとると、活性酸素に負けない体づくりがますます必要になってきます。

活性酸素には「悪玉」と「善玉」がある

活性酸素は人間が呼吸をしていれば必ず身体の中で発生します。でも、活性酸素の中には、身体に害をなす、悪玉と身体に必要な善玉があるのです。体をサビさせる=老化を促進させる「悪玉活性酸素」と、血管を作ったり、神経機能を高めたり、殺菌などの効果があり、免疫力アップなどに使用される、身体に必要な「善玉活性酸素」があります。悪玉活性酸素は呼吸でのみ増加するのではなく、化学物質、紫外線、農薬など、周囲の様々な環境要因や日常生活 喫煙やストレスによって増加します。「悪玉」活性酸素は様々な悪影響を体に及ぼすことが分かってきました。悪玉活性酸素によって細胞が攻撃されると、細胞膜の脂質が酸化して、細胞が栄養と老廃物の出し入れをスムーズにできなくなり劣化していきます。また、細胞の核の遺伝子が傷つけられて、細胞の変異、死滅することもあります。

劣化の自覚症状について、皮膚の場合は「何となく肌のツヤがなくなった」という症状については早くから気づくことができますが、血管の劣化は無症状の時期が長く、症状が出たときには動脈硬化(血管が硬くなってしまう、血管がサビだらけのようなもの)が起こってしまったりします。心臓病と動脈硬化は深い関係があります。見た目の若々しさは身体の実年齢と関係するとも言われています。シミ、シワが多いと感じていたら、動脈硬化も進んでいるかもしれません。

悪玉活性酸素であるヒドロキシラジカルのみを除去する水素

善玉と悪玉の活性酸素がある中、水素は悪玉活性酸素である、強力な酸化力を持つ「ハイドロキシラジカル 」のみに反応して消去する働きがあります。

血管を作ったり、神経機能を高めたり、殺菌などの効果があり、免疫力アップなどに使用される有益な善玉活性酸素「スーパーオキシド=過酸化水素」は消去しません。

これにより体全体の臓器の機能を高め、デトックス効果もあり紫外線によるシミやシワの予防、疲労回復、免疫力アップなどの 効果が期待できます。 さらに水素はダイエットやメタボ予防にも効果を発揮します。脂肪燃焼を高めて脂質代謝を促す作用があり、体内で脂質代謝に関わる 酵素やホルモンの分泌を増やす働きがあります。 その他、動脈硬化や糖尿病など酸化による病気を予防する効果が多数報告されており、医療分野での活用も広まっています。

水素点滴

99.9999%の水素ガスを水の入ったボトルに直接充填して点滴を行います。。過飽和状態を作り出し 高純度/高濃度の水素水を体内に取り入れることが出来ます。吸入より確実に体内に水素を送り込むことができ、効果が長続きします。

水素点滴にする理由

水素は優れた抗酸化物質であり、体内の悪玉活性酸素を強力に除去してしまうのですが、体内では至る所で活性酸素が発生しているため、最も近くにある活性酸素と瞬時に反応してしまいます。
ですので、必要な病気の部位に水素が届く前に使われてしまうというデメリットがあります。
水素水を飲むだけだと体内に作用する前に使われてしまう可能性があるのです。
そのため、必要な部位に届くための方法として血管から体内にに直接投与できる点滴がお勧めです。

水素で期待できる活性酸素除去の効果

血管を作ったり、神経機能を高めたり、殺菌などの効果があり、免疫力アップなども期待出来る。

治療効果の期待できる疾患

  • 脳神経疾患:アルツハイマー、パーキンソン病、脳梗塞、脳梗塞後遺症
  • 循環器疾患:心筋梗塞、動脈硬化、閉塞性動脈硬化症、バージャー病
  • 骨関節疾患:変形性関節症、関節リウマチ、肩こり、腰痛
  • 代謝性疾患:糖尿病、メタボリックシンドローム、肥満
  • 肝疾患:アルコール性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、脂肪肝
  • 炎症性疾患:リウマチ、潰瘍性大腸炎等の炎症性疾患、膠原病、その他の自己免疫性疾患
  • その他:がん、肺線維症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、アレルギー疾患、心肺停止からの蘇生、透析障害、アンチエイジング等

※がん治療との併用により抗癌作用の増強や、抗がん剤の副作用軽減に期待できます。抗がん剤治療中に水素点滴を受けることで、副作用がかなり楽になったケースが多数あります。

※水素には活性酸素を除去、がんの増殖や転移を抑え、がん細胞内のミトコンドリア機能を復活させ、がん細胞の細胞死を促す作用があります。

※水素には酸化LDLを低下させる働きがあり、動脈硬化、脳梗塞などの循環器疾患や活性酸素が関与するアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患への応用が考えられています。

水素点滴と生活習慣改善

健康的な体を維持していくためには、老化を促進させる悪玉活性酸素を抑制し 体が錆びていかないようにしていくことが大事です。そのためには、生活習慣改善と水素の活用を併用することがお勧めです。若々しく健康的な生活を維持するためにも 水素点滴の強力な抗酸化力は、とても効果的です。

がんが消えていく生き方

がんに克つ5つの生活習慣
1 良眠生活「睡眠中こそが細胞や組織を修復する時間帯」
2 良食生活「がん体質を変えるための食生活にスイッチ」
3 加温生活「リンパ球は体温1%上がると活性力40%増」
4 運動生活「がんが嫌う酸素を体内に効率的に取り込む」
5 微笑生活「実証された笑いの作用でNK細胞の活性化」

水素点滴のお勧め頻度

エイジングケアの場合:月に1から2回

病気の治療の場合:週に1回もしくは2週間に1回

水素点滴は保険適応外となるため自費診療です。

水素点滴の問題点:点滴・注射などにおける針刺しにおける合併症がおこることがあります。

水素点滴の費用

費用はこちらをご覧ください。

高濃度ビタミンC点滴や様々なビタミン点滴などと水素点滴の併用

ビタミンや様々な薬剤は溶解して注入開始している間にもどんどん酸化してその効果が失われてしまいます。高濃度ビタミンC点滴、マイヤーズカクテル、タチオン点滴のボトルに水素を注入することで、薬剤の酸化を防ぎ、さらに水素による抗酸化作用が期待できるため、治療効果が非常に高められます。水素併用点滴の場合、水素点滴単独より費用を安くして受けられるようにしています。

水素吸入

自宅で手軽にできる水素療法です。吸入は吸っている間だけの効果しかありませんが、水素水を飲むよりはずっと効果的です。吸入することで、吸入している間は活性酸素除去ができます。長時間移動する場合などは疲れをとるために移動しても行える水素吸入がお勧めです。水素吸入用ボトル、水素発生剤15回分セット、マスクがセットでクリニックで購入できます。診療料金

水素バーム

医療機関のみで購入出来る医療用水素外用剤です。

本製品は臨床水素治療研究会という医療関係者が構成する研究のための社団法人が作成している高品質の医療用水素外用剤です。

水素バームは肌表面の水分と反応して水素を発生し、肌表面の活性酸素を速やかに取り除き、炎症をはじめとした肌トラブルのない健やかな肌へと導きます。

水素バームの効果・効能

保湿剤としてご使用いただけます。(ワセリンが基剤です。)

  • 皮膚の炎症を抑えます:アトピー性皮膚炎、ニキビなどの炎症皮膚疾患、日焼け後の炎症、火傷、虫さされ、ピーリングやレーザー後の炎症のある肌に、疥癬、外科治療後の傷跡
  • 皮脂への効果:体臭・加齢臭の軽減
  • 表皮組織への効果:こじわ、しみ

水素は目的に合わせて投与すると効果的なので、皮膚に水素をきかせたければ、水素バームがお勧めです。

使用方法

洗顔した清潔な肌を化粧水などで保湿し、その上から水素バームを塗布して下さい。水素バームは肌表面の水分と反応して水素を発生しますので、保湿が大切です。乾燥した肌に塗布しても水素が充分に発生せず、充分な効果を得ることができません。

化粧水などで保湿した直後の肌、身体であれば入浴後すぐの塗布がより効果的です。水素の浸透率を高める為に、水素バームを塗布した後、手指や手の平で軽く押し付けるように浸透させて下さい。

バームが発生した水素の気化を防いで効率良く肌表面の活性酸素を取り除きます。

特に副作用はありません。(基剤に使用されるクリームや添加物は全ての方の肌に合うという訳ではないので、ご使用になられてあわない場合は使用をおやめください。)

水素カプセル

水素水はあっと言う間に水素が体内から無くなってしまうため、水素の効果を得るのは難しいですが、カプセルであれば持続して体内で水素を得ることが出来るため効果が期待できます。特に消化器系のトラブルであれば、内服もお勧めです。

※ 内服はアレルギーを抑えたり身体中の活性酸素を除去する為に、使用をお勧めします。

水素風呂

水素風呂はじめました。入浴のすすめ

身体を温めましょう!

お風呂(湯船)は毎日入った方がいいんですか?

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。