禁煙外来とは?

禁煙外来とは?

禁煙外来とは、たばこをやめたい方のために医師のサポートを受けながら禁煙を進める外来です。医師の指導と禁煙補助薬を活用して、無理なく効果的にたばこをやめられるよう支援します。

保険適用の条件(2025年現在)

  • ニコチン依存症を評価するスクリーニングテスト(TDS)で5点以上
  • ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上(35歳以上、35歳未満は200未満でも保険適応が受けられる)
  • ただちに禁煙したいと考えている
  • 禁煙治療に文書で同意している

若年者の場合、ブリンクマン指数が200未満でも保険診療が可能なことがあります。将来の健康リスクを考慮し、早期介入が重要とされており、医師が必要と判断すれば保険適用されます。

治療の流れ

通常、12週間にわたって合計5回の診察を行います。

  1. 初回:喫煙状況の確認、呼気CO測定、動機づけ、補助薬の処方
  2. 2週・4週・8週・12週の再診:継続支援と薬の調整

使用される禁煙補助薬(医師による処方)

  • ニコチンパッチ:皮膚に貼るタイプで、ニコチンをゆっくり身体に吸収させ離脱症状を和らげます。
  • チャンピックス(バレニクリン):2025年現在、供給が不安定なため、一部では使用制限があります。
  • ニコチンガム(薬局で購入する薬):口腔粘膜からニコチンを吸収。急な喫煙欲求時に使用します。

禁煙外来の費用(保険診療)

2025年現在、3割負担の方で約13,000〜20,000円程度(全5回、薬代含む)です。医療機関によって若干異なる場合がありますが、1回あたり2,000〜4,000円の自己負担が目安です。

薬局で購入できる禁煙補助薬

医師の処方がなくても薬局で購入できるニコチン代替製品もあります。保険適用外のため全額自己負担です。

  • ニコレットパッチ(OTC):1箱(7枚入り)で約2,500〜3,500円。1〜2週間分。
  • ニコレットガム
    • 2mgまたは4mgの製品があり、味も複数(ミント、シナモンなど)
    • 1箱(96個入り)で約3,000〜4,000円

ただし、薬局製品は保険診療ではないため、医師のサポートがある禁煙外来のほうが、保険診療で、自己負担が安くなります。また、薬局で禁煙補助薬を購入して禁煙を行う場合には、禁煙サポートがうけられる、薬剤師と行う禁煙という方法もあります。禁煙サポート薬局、薬剤師、禁煙サポートなどで検索してみてください。

禁煙のメリット

  • 心筋梗塞、脳卒中、がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などのリスクが低下
  • 肌や歯茎の状態が改善
  • 受動喫煙から家族を守れる
  • 1日1箱吸う人なら年間15万円以上の節約(1日に1箱 (450円とする) 吸う人が禁煙すると、1ヶ月で約13,500円、1年で約162,000円、10年で約220万円、30年で660万円の節約になります.
  • 将来の医療費の削減:

    喫煙は多くの病気のリスクを高めるため、禁煙することで将来的な医療費を抑えることができます.

  • 生命保険料の節約:
    非喫煙者は喫煙者よりも生命保険料が安くなる傾向があります.

よくある質問

Q. 途中で吸ってしまったら?
あきらめずに再挑戦することが大切です。医師と相談しながら継続できます。
Q. 若い人でも受診できますか?
はい。未成年や20代の方でも喫煙歴が短くても、ニコチン依存症と診断されれば保険診療で治療可能です。

禁煙に活用できるおすすめアプリ(2025年版)

禁煙を成功させるには「継続の工夫」がとても大切です。最近では、スマートフォンのアプリを活用して、楽しみながら禁煙を続ける人が増えています。ここでは2025年現在のおすすめ禁煙アプリをご紹介します。

1. QuitNow!(クイットナウ)

  • 対応:iOS / Android
  • 言語:日本語対応
  • 主な機能:
    • 禁煙日数、節約した金額、吸わなかった本数の表示
    • 健康状態の回復状況が可視化される
    • SNS風コミュニティで他の禁煙者と励まし合える
  • おすすめポイント:モチベーションが続きやすく、仲間とのつながりが心強い
  • 公式サイト:https://quitnow.app

2. 禁煙ウォッチ(厚生労働省監修)

  • 対応:Android(※iOS非対応)
  • 言語:日本語
  • 主な機能:
    • 禁煙日数や節約金額の記録
    • 禁煙日記、自己評価メモ
    • 喫煙再発時の振り返り機能
  • おすすめポイント:公的機関監修で信頼性が高く、医療機関との併用にも向いています

3. 卒煙式(そつえんしき)

  • 対応:iOS / Android
  • 言語:日本語
  • 主な機能:
    • 禁煙日数や節約金額の記録
    • ご褒美(目標)を設定して達成感を可視化
    • スタンプやグラフでやる気を維持
  • おすすめポイント:ゲーム感覚で楽しく続けられる工夫が満載

4. Smokefree(スモークフリー)

  • 対応:iOS / Android
  • 言語:英語(シンプルで読みやすい)
  • 主な機能:
    • 禁煙日数、節約金額、健康回復状況などをリアルタイム表示
    • 毎日の課題(心理療法に基づく)で行動変容を支援
  • おすすめポイント:世界中で高評価。科学的根拠に基づいた禁煙支援

5.みんなの禁煙アプリ

日本語でわかりやすく、医療的根拠に基づいた情報が得られる。禁煙外来とも連携しやすい。

6.禁煙駅伝

禁煙駅伝は、禁煙の目標の達成状況をグラフで見える化できるアプリです。同じアプリを使用しているユーザーのランキングも表示されます。コメントを書いたり「いいね」を付けたりすることも可能です。お互いにコミュニケーションを取って励ましあえるので、モチベーションアップにつながるでしょう。

7.kwit(クウィット)

無料版と追加で有料にすることも出来ます。禁煙をメンタルケアしてくれるアプリ。Kwitのアプリケーションは、WHO (世界保健機関) によって調査され、禁煙を実行するのに最適なアプリである、と評価されています。
禁煙を始めたばかり、もしくは卒煙しようと決心したところでしょうか?でも、モチベーションを保つのは大変ですよね。Kwitはそんなあなたに最適のアプリです!今の吸いたい気持ちを、キャラクターが質問してくれるので、10段階で表現したり、ニコチンの離脱症状の辛い気持ちを、日記にして毎日書き込めたりできる。アプリのキャラクターのデザインが可愛くて、開くたびに優しく声をかけてくれるので、癒される。

禁煙のススメ

「禁煙=我慢」ではありません。むしろ、タバコをやめたことで“自由”を手に入れられるんです。タバコを吸う場所を探さなくて良い。タバコをやめて、お金がみるみる貯まるようにある。タバコ一箱で、Netflix見放題、Apple Watchは一ヶ月の禁煙で買えてしまう。おいしいランチも余裕でお出かけできる。まわりも健康になって、自分も元気になれる。

まとめ

禁煙を成功させるためには、継続の仕組みとサポートが重要です。今回ご紹介したアプリは、いずれも禁煙外来との併用や自己管理に役立つものばかりです。自分に合ったアプリを選んで、禁煙生活を楽しく前向きに続けましょう。禁煙外来は「一人ではやめられない」方のための力強い支援策です。若い世代にも積極的に利用していただきたい制度です。タバコのない未来のために、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。