早期母子接触

赤ちゃんにやさしいケアとして当院では早期母子接触をすすめています。早期母子接触は、以前、カンガルーケアと呼ばれていました。


早期母子接触とは

早期母子接触の抱っこは赤ちゃんとお母さんの肌が直接触れあうように、お母さんの胸の間に赤ちゃんを包み込むように抱っこする事です。

早期母子接触


南米で未熟児の保育器が不足したために保育器の変わりに母親の胸の中で赤ちゃんを保温したところ、その体温調節や呼吸刺激の効果が非常に良い事が分かりました。未熟児の死亡率が激減し、その上赤ちゃんとお母さんの絆が深まったのです。この未熟児のために考え出されたケアが、生まれたての赤ちゃんにとってもすばらしい効果があることがわかってきました。
スウェーデンの研究者によって、誕生直後に新生児に驚くべき能力があることが報告されたのです。生まれたばかりの赤ちゃんを母親の胸からお腹の上におくと、しばらくして目を開け、左右をうかがい、ついで首を振り、お腹をけ上がり、おっぱいにたどりついて乳首にむしゃぶりつく、という一連の姿が紹介されました。
この出産時の早期母子接触の効果として、母乳育児率の上昇、母子愛着形成の促進、赤ちゃんの泣きが減る、などがいわれています。他に、赤ちゃんの安眠、保温効果、感染防止、等々多くの効果があるそうです。

早期母子接触


早期母子接触をされている赤ちゃんをみるとあまり泣かないことに驚かれることがあります。生まれたての赤ちゃんが泣くのはお母さんと引き離されているためで、母親に抱かれるととたんに泣きやみ安心した顔で落ち着くことが多いです。泣くことは、赤ちゃんにとって余計なエネルギーを使い、ストレスホルモンが体に出てきて負担が増すことがわかっています。ですから、早期母子接触をされてあまり泣かずに落ち着くことは無駄なエネルギーを使わずにすみ、赤ちゃんの体にもいいことになります。

早期母子接触


早期母子接触ってどうするの?

赤ちゃんが生まれた後、すぐにお母さんの胸の上で抱っこします。もし、お母さんの胸の上ではできないような処置が必要であれば、早期母子接触の前にそちらを優先しますが、お母さんと赤ちゃんが元気であれば、産後2時間は赤ちゃんはお母さんの胸の上で過ごします。(ゆいクリニックでは安全のために、Spo2モニターといって赤ちゃんの血液中の酸素濃度を計測するセンサーを赤ちゃんの足に取り付けます。張るだけなので、痛みは全くありません。)

お母さんの胸に抱かれると赤ちゃんは安心したかのように静かになりますが、この時にも赤ちゃんは眠ってしまっているわけではないのでどうぞ話しかけてあげて下さい。聞き覚えのある声を耳にし、目をあけることでしょう。このときあまりに部屋が明るすぎると赤ちゃんはまぶしくて目があけられないのでなるべく赤ちゃんに直接光があたらないようにお部屋を薄暗くしてあげています。

赤ちゃんにとってお母さんのお腹の中は静かで暖かく苦しさの感じない天国です。出産という大仕事を終えてこの世に来た赤ちゃんにとって、お母さんの胸に抱かれて安心する事で、お腹の中とは違った幸せを実感できる事でしょう。