✅ 保管場所:
- 高温・多湿・直射日光を避け、涼しく乾燥した場所に保管しましょう。→ 財布や車の中など、長期間熱がこもる場所はNGです。
- 外箱や袋のまま保管することで、破損や劣化を防げます。
✅ 使用期限の確認:
- 使用前に必ず外袋や箱に記載された使用期限を確認しましょう。
- 古くなったものや保存状態の悪いもの(熱で劣化したもの、袋にシワ・破れがあるもの)は使用しない。
✅ 持ち運ぶときの注意
- 財布やポケットに長期間入れたままにせず、必要なときだけ持ち歩く。
- 鍵や小銭など硬い物と一緒にしない(摩擦や圧迫で破損することがあります)。
コンドームの正しい使い方
1️⃣ 準備の前に確認すること
- 使用期限を確認しましょう(外袋に印字されています)。期限が切れたものは避ける。
- 外袋に破れや傷がないか確認する。
- 保存状態(熱や直射日光、高温多湿にさらされていないか)を確認する。
2️⃣ 開封する
- 裏表が袋に書かれています。男性側=ペニス側を確認しましょう。
- コンドームをはじによせて隙間を作って、袋は最後まで切り取る。
- 爪や歯を使わず、指先でそっと切り込み部分から開封します。
- 中のコンドームを強く引っ張ったり、ねじったりしないで、指で取り出さず、袋から押し出して取り出す。
3️⃣ 装着のしかた
- ペニスが勃起した状態で、コンドームの巻きが外側に向いているか確認。
- 先端の精液だまり(タンク部分)に空気を入れて、指先で軽くつまみ、空気を押し出すようにして根元までしっかり転がして装着します。→ 空気が入っていると破れやすくなるので要注意です。
- ペニスの包皮をしっかりおろして、根元までしっかり装着しましょう。いったんおろしたコンドームを少しもどして、ペニスの余った皮をしっかり降ろして毛を巻き込まないようにしてしっかり下まで降ろしましょう。
※もし裏表を間違えてペニスにつけた場合には、コンドームの表に精液がついてしまいます。射精の前から精子は分泌液に出てきていますので、避妊のためにも、性感染症予防のために、破棄して、新しい物を使いましょう。
4️⃣ 使用後の処理
- 射精後は、ペニスが萎える前に根元を押さえながら抜きます。
- コンドームを根元からゆっくり外し、ティッシュなどに包んで家庭ゴミとして廃棄します(トイレには流さない!)。
補足のポイント
- コンドームは「性感染症の予防」と「避妊」の両方にとても重要な役割があります。
- 使用の際は正しいサイズを選ぶことも大事です。サイズが合わないと、破損や脱落のリスクが高まります。
- 潤滑剤を併用する場合は、「水溶性」のものを選んでください(オイル系はゴムを劣化させます)。(リューブゼリーは水溶性で使いやすい潤滑剤です。ゆいクリニックで試供品がもらえます。受付で販売中です。)
コンドームの具体的な選び方
1️⃣ サイズを選ぶ
-
日本の一般的なコンドームは「標準サイズ」で、直径約33mm程度です。
-
太めの方は「Lサイズ(直径36mm程度)」、細めの方は「Sサイズ(直径30mm程度)」もあります。
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自分に合うサイズは、きつすぎず、緩すぎず、根元までしっかりフィットするもの。
-
市販のサンプルパック(複数サイズ入り)を試して、自分に合うものを見つけるのもよいです。
2️⃣ 素材を選ぶ
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天然ゴム製:一般的、伸縮性あり、リーズナブル。
-
ポリウレタン製:薄くて丈夫、ゴムアレルギーの人におすすめ、ただし伸縮性は低め。
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イソプレンラバー:ゴムアレルギー対応、ポリウレタンより柔らかい。
3️⃣ 特徴を選ぶ
-
薄さ重視:0.02mm・0.01mmなどの超薄型タイプ。感度を大事にしたい人向き。
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強度重視:厚めの安心タイプ。初心者や激しい動きがあるときに。
-
特殊加工:ドットやリブ加工で刺激を増したタイプ。
-
潤滑剤入り:滑りを良くしたい場合は潤滑剤多めのタイプ。
🧳 コンドームの管理に役立つグッズ
✅ コンドームケース
-
小型で硬質素材のケース(プラスチック・メタル)が市販されています。
-
財布やバッグの中で潰れたり摩擦で傷んだりするのを防げるので安心。
-
デザインもシンプルなものから可愛いものまであるので、自分の好みに合わせて選べます。
✅ 保管用ポーチ
-
家での保管用には、直射日光を避けられる布やレザーのポーチがおすすめ。
-
湿気対策として小さな乾燥剤を入れておくのも有効です。
✅ 旅行用セット
-
旅行用に数回分を入れられる小型のジッパー袋やケースを用意すると便利。
-
外箱ごと持ち運ぶと嵩張るので、必要分だけをコンパクトにまとめましょう。
💡 おすすめの管理方法
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自宅では、下着の引き出しやクローゼットの中など、直射日光の当たらない涼しい場所で保管する。
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高温多湿になる浴室内や車内には放置しない。
-
持ち歩くときは、長期持ち歩きは避ける。
-
定期的に在庫を確認し、期限が近いものから使うようにする。
コンドームでの避妊の確率
理想的な使用(perfect use)
毎回正しく使った場合の妊娠予防率→ 約98%、つまり、1年間で100組のカップルがコンドームを正しく使い続けた場合、妊娠は約2件。
一般的な使用(typical use)
実際の使用状況(使い忘れ、装着ミス、破損などを含む)の場合→ 約82%、つまり、1年間で100組のカップルが通常の使い方をした場合、妊娠は約18件。
理想と実際の差が出る理由
- 装着ミス(精液が漏れる、途中で外れる、逆向きに着ける)
- 使用忘れ(最初の挿入時に使わない)
- 保存状態が悪くて劣化(破れやすくなる)
- 使用後の処理ミス(外したときに漏れる)
※避妊ピルを併用すると、妊娠確率は五万分の一になる。
コンドームチェックリスト
🕐 使用前の準備
☑ 使用期限を確認する(外袋や箱に記載)
☑ 袋に破れや傷がないか確認する
☑ 硬い場所や熱い場所で保管しない
📦 開封のしかた
☑ コンドームを下に寄せてあける
☑ 指先で切り込み部分から完全に袋を切って開ける
☑ 袋の 下からコンドームを押し出して取り出す
📍 装着前の確認
☑ コンドームの巻きが外向きになっている(内巻きではない)
☑ 勃起してから装着する
🧤 装着のステップ
☑ 先端の精液だまり(タンク部分)に空気を入れた後、指先でつまんで空気を抜く
☑ ペニスの先端に当て、根元までしっかり転がして装着する
☑ 根元まできちんと届いていることを確認する(途中までで止めない)皮を寄せてしっかり奥まで装着する。
🕊 使用後の取り外し方
☑ 射精後すぐ、ペニスが萎える前に根元を押さえて抜く
☑ コンドームを根元からゆっくり外す
☑ 精液が漏れないようにティッシュなどで包む
☑ トイレには流さず、家庭ゴミとして廃棄する
🌡 管理と保存のポイント
☑ 高温・直射日光・湿気を避けた場所で保管する
☑ 財布やポケットに長期間入れない
☑ 必要な分だけを硬質ケースなどに入れて持ち歩く
💡 特に注意!よくあるミス
⚠ コンドームを裏表逆に着けた場合 → 新しいものに替える
⚠ オイル系潤滑剤(ベビーオイル、ワセリン)は使わない(ゴムを劣化させる)
緊急避妊
より確実な避妊:ピルや子宮内器具
国際的な性教育ガイドラインでのコンドームの学習時期
国際的には ユネスコ(UNESCO) が発行している
「国際セクシュアリティ教育ガイダンス(International Technical Guidance on Sexuality Education)」
という包括的性教育(Comprehensive Sexuality Education, CSE)の指針が基準としてよく用いられています。
このガイドラインでは、学習内容を年齢に応じて段階的に紹介しており、コンドームの話題は主に以下の段階で取り上げられます。
📚 年齢別の大まかな学習段階
✅ 5〜8歳
-
体の部位やプライベートゾーンの名前、境界意識を学ぶ。
-
性教育というより「体と心の基本的な理解」を育てる段階。
-
コンドームの直接的な説明はこの段階では登場しません。
✅ 9〜12歳
-
思春期の変化や生殖の基本を学び始める。
-
この段階で「避妊」や「性感染症の基本的な予防法」についての初歩的な情報が登場します。
-
コンドームについても、「性感染症や妊娠を予防する道具の一つとして存在する」という概念を学び始める。
✅ 12〜15歳
-
性的関係、責任、相互尊重、合意の重要性を理解する。
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コンドームの正しい使い方、避妊の必要性、性感染症のリスクと防止策を具体的に学ぶ。
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実物を見たり、使い方を練習したりする性教育プログラムも多く、この段階で知識と技術を身につけることを推奨しています。
✅ 15歳以降
-
性的権利やジェンダー、セクシュアリティの多様性、交渉力や自己決定の力を強化する。
-
コンドーム使用を含め、実際の生活場面で責任を持った判断をする力を養う。
🌟 まとめ
国際ガイドラインでは、
✅ 9〜12歳で知識を学び始め、
✅ 12〜15歳で実践的な使い方やスキルを学び、
✅ 15歳以降で応用・実践力を養う