母乳のメリット、人工乳のメリット

看護学校の生徒さんからの質問です。

質問:母乳のメリットを講義でききましたが、母乳のデメリットや人工乳のメリットを教えてください。

答え:そもそも人間は動物であり、ほ乳類として母乳を飲むべきなのです。そして、たかだか数十年の科学の力で、人工乳が母乳と同等かどうかを言えるほどのものにはなっていないのです。でも、日本では人工乳育児が当たり前となって、母乳か人工乳かを選べるかのように思われてしまっています。また人工乳の宣伝もとても多いです。そのため、母乳がいかにすごいのかを講義で強調させてもらいました。母乳にはデメリットがあるから人工乳を使うというのはそもそも発想から間違いなのです。でも、母乳は頻回に授乳しないといけない、子どもを預けにくいなどを理由に、人工乳育児を選択される方がいます。子どもの心と体を育てるために、母乳育児をするのがとても大切で、どうしても母乳育児が出来無い人には現代では人工乳という選択があると考えた方が良いです。人工乳はお薬のように使えるものと考えて下さい。なので、母乳と人工乳を比較したそれぞれのメリットデメリットという答えはありません。そうすると、母乳が出ない人はどうなるのかという突っ込みが出てきたりするのですが、そもそも、日本ではきちんとした母乳育児のサポートを妊娠中、産後早期に出来ていないことが多いのです。ですから出産する人自身が学んでいく必要があります。

母乳は学べば学ぶほど奥が深くて、興味深いです。

母乳育児についての講義動画があります

母乳育児の良いところ

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。