帝王切開をすると何人産むことができるのですか?(ぐしかわ看護学校学生さんからの質問)

 

質問:帝王切開をすると何人産むことができるのですか?子宮に傷が入って、傷のせいで子宮が悪くなってしまうと聞いたことがあります。

答え:一般的には3回までと言われることが多いです。決められた上限はありません。

帝王切開の回数について

手術の状態によって異なります。子宮下部の筋層を横切開した場合には子宮破裂のリスクは低いですが、特別な理由があって子宮を縦切開すると子宮破裂のリスクが次回妊娠で高まるため、次回妊娠を避けるように指導されることもあります。2回目の手術の状態に問題があった場合には次の妊娠を避けるようにお伝えすることもあります。3回目の帝王切開でとても大変だったので次回妊娠を避けるように勧められていた方が、新しいパートナーとの子どもが欲しいと4人目を妊娠されて出産をされた方もいます。ただ、この場合には、4回目の帝王切開はかなりリスクの高い(合併症が心配される)手術になるかと思われます。私が知っている中では最大7回目の帝王切開を受けた方がいますが、7回目の帝王切開はまれです。ゆいクリニックでは4回目の帝王切開を受けた方は数名います。この方たちは4回目でも特に手術は難しくなく、問題なく手術を終えていますが、その人の状態によって、帝王切開を何回受けられるかは異なります。

帝王切開での子宮への影響

帝王切開の傷によって子宮の筋肉に溝ができて、次回妊娠でそこに胎盤ができると、大変リスクの高いお産になり、また妊娠継続が難しくなる場合もあります。以前の帝王切開によって前置胎盤や癒着胎盤となる場合があるのです。また、帝王切開の傷があると次回妊娠で子宮破裂のリスクが高まります。妊娠中の子宮破裂はまれですが、陣痛中に子宮破裂が起こることがあります。帝王切開後に子宮の状態が悪くなって、月経の状態に影響があるという事はまれなので、あまり心配する必要はありません。次回妊娠への影響としては分娩中の子宮破裂のリスクの他に、癒着胎盤や前置胎盤などの胎盤の異常の可能性も高くなります。次回出産での帝王切開での手術合併症の可能性も出てきます。子宮のまわりの臓器、特に膀胱が癒着して、膀胱損傷のリスクが増します。

帝王切開後経腟分娩トライ

帝王切開後に経腟分娩をトライすることは可能ですが、分娩中に子宮破裂のリスクがあるので、対応する施設は限られています。ゆいクリニックでは経腟分娩トライは受けていません。経腟分娩出来た場合には、帝王切開の合併症を避けることができるというメリットがあります。ただし、帝王切開後経腟分娩出来たからといって、次の妊娠でも同じように子宮破裂のリスクはあり、帝王切開後の分娩回数が多いほど、子宮破裂のリスクは高まるとも言われているので、毎回十分な対応が必要になります。

永久避妊手術

帝王切開の際に、卵管結紮をおこなって、永久避妊手術を受けることができます。帝王切開時に手術をすると開腹や麻酔の負担が避妊手術のために行わずとも帝王切開時に一緒に行えるので、検討するようにご説明します。ただし、迷っている方には行わないようにお伝えしています。永久避妊手術を受けた後に、もう一人子供が欲しい場合には、体外受精をうけるか、卵管形成術の手術を受ける必要があり、妊娠には大変ハードルが高くなるので、術後の子宮内避妊具での避妊をご紹介しています。

以上帝王切開を受けられる回数と術後の状況についてお伝えしました。

帝王切開に関するお勧めの本

ママのための帝王切開の本:竹内正人  (編集), 細田恭子 (編集), 横手直美 (編集)

帝王切開で出産したママに贈る30のエール: もやもやを消し、自分らしさを取り戻す:細田 恭子 (著, 編集), 竹内 正人 (著), 横手 直美 (著)

帝王切開での早期接触