妊娠20週での出血

質問:妊娠20週1日の妊婦です。 時々お臍下の両側辺りが固くなることがあり、 今週火曜日に先生が膣内を診たところ茶色の血(量はそんなに多くない)が見つかりました。先生曰く、赤ちゃんと胎盤に問題は見られないので、特に心配する必要はないが、家で安静にするように言われました。 さらに昨日夜に少量の茶色の血が下着に付いていたため、本日検診に行きました。先生が膣内を確認をしたところ、ほんのわずかなピンク色の血が見つかりました。火曜日の診察の時よりは血の量は減っているということでした。今週末まで安静にするようにと指示を受けました。 とても心配です。何かアドバイスをいただけますでしょうか。

答え:妊娠中の出血がありとてもご心配のことと思います。担当の先生に問題ないと言われても、出血が続けば心配ですよね。妊娠初期には出血することが良くあります。ですが、12週をすぎてからの出血は頻度も少なく、異常がないか必ず診察を受ける必要があります。きちんと診察をうけて、問題ないと言われているのであれば、出血していること自体は異常ですが、特に治療は必要無いかと思います。多量の出血が起こることもないでしょう。特に原因ははっきりせずに出血することが時にあります。その場合には治療もないので、安静で様子を見てもらうことになります。

出血の原因:子宮頸管無力症、前置胎盤、低置胎盤、

妊娠中期になってくると、出血の原因として、おなかのはりが無くても子宮の入り口が開いてきてしまう、「子宮頸管無力症」という病気や、胎盤の位置が子宮の入り口にちかくにあるという異常「前置胎盤」や「低置胎盤」、胎盤からの出血などを考えます。ただし、胎盤の位置は妊娠30週までははっきりと診断出来無いので、前置胎盤の診断でなくてもまだ胎盤が完成する前で少しずつ出血しているという事はあります。子宮頸管無力症と診断する場合には、時に子宮頚管縫縮術という手術を行う治療もありますが、その他の場合には安静以外に特に治療はありません。子宮収縮がある場合には、子宮収縮抑制剤を使用する場合があります。いずれにしても診察が大切なので、きちんと診察をうけて担当の先生の判断を仰ぐことが大切です。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。