新型コロナウィルス感染症の後遺症にEAT(Bスポット療法=上咽頭擦過治療)を受けた方の当院での治療成績について。

塩化亜鉛溶液を用いた EAT<イート>(上咽頭擦過治療)Bスポット療法

  • 上咽頭炎の治療として効果的なものは0.5%~1%塩化亜鉛溶液を染みこませた綿棒を用いて、鼻と喉から直接上咽頭に薬液を擦りつけることです。
  • この治療はEAT<イート>(Epipharyngeal Abrasive Therapy、上咽頭擦過治療)と命名されています。

EATの作用機序

  • 第一の機序は塩化亜鉛による上咽頭の炎症が沈静化です。
  • 第二の機序はEATの瀉血作用です。上咽頭の血のめぐりの滞りを改善して循環を良くする可能性があります。脳脊髄液・リンパ液・静脈還流の改善、老廃物の除去などが期待できます。
  • 第三の機序は迷走神経刺激です。上咽頭は迷走神経と舌咽神経の支配を受けていますがEATに伴う迷走神経刺激が同治療に伴う様々な症状の改善に密接に関与している可能性があります。迷走神経機能の改善、炎症反射の改善などが期待できます。

慢性上咽頭炎の治療

慢性上咽頭炎の治療はEATが効果的です。ただし、一回の治療では炎症が改善しません。週1回を3~9ヵ月間、EATを続けて行う必要があります。

継続的に6ヵ月、24回の処置で6~7割の患者さんの症状が改善されます。

治療に痛みを伴い、通院加療が必要です。この点とご自身の症状とを天秤にかけ治療を希望の場合は治療を続けて下さい。

EATを受けた後の身体の反応

治療により数時間痛みを伴い、血の塊や血の混ざった痰が数日続く場合があります。

治療効果の1つが副交感神経刺激作用で、痛い治療なのに体はリラックスする方向に進みます。でも、鼻の中は逆で数時間くしゃみ、鼻水が続きます。

処置により風邪をひいた状態と同じような状態になるため、発熱、一時的なだるさの悪化などの症状を来たします。免疫に作用した結果です。

効果が見られる時期は多くは4ヶ月目くらいから

一般的に週1回を3ヵ月間この療法を行うと、上咽頭の免疫がかわり、4か月目から様々な症状が軽減していきます。(少しの変化は治療開始1ヵ月でわかります。)

新型コロナウィルス感染症の後遺症にEAT(Bスポット療法=上咽頭擦過治療)が有効?!

新型コロナウィルス感染症の後遺症にEAT(Bスポット療法=上咽頭擦過治療)が有効?!

コロナウィルス感染症の後遺症にEAT(上咽頭擦過治療、Bスポット))が効果ありました!

コロナウィルス感染症の後遺症にEAT(上咽頭擦過治療、Bスポット))が効果ありました!

当院を受診した、コロナウィルス感染後遺症が考えられ、EAT(Bスポット療法=上咽頭擦過治療)を受けた方の治療効果

20217月から202310月の間に、コロナウィルス感染後遺症が疑われる症状があり、EATを当院で受けられた方:28名、このうち6回以上施術を受けた方12名、

全体で28名中効果を感じたのは15名:53.6%効果有り

6回以上施術をうけた12名中効果有り9名:75%に効果あり

2~5回施術を受けた13名中効果有り5名:38.4%に効果有り

1回で中断した方:3名中1名は効果有り:33.3%に効果有り

※Youtube動画を作成した後からデータを見直した結果、対象の人数と結果に差異が出ました。

上咽頭擦過治療EAT(Bスポット療法)を受けられる施設

EAT 慢性上咽頭炎治療 医療機関一覧
日本病巣疾患研究会HPよりhttps://jfir.jp/eat-facilities/

感想:自律神経失調症に上咽頭擦過治療(EAT,Bスポット)が効果がありました!

感想:自律神経失調症に上咽頭擦過治療(EAT,Bスポット)が効果がありました!

コロナワクチン接種後後遺症と慢性疲労症候群

コロナワクチン接種後にも体調不良を来す人が多い。慢性疲労症候群は原因不明の全身倦怠感を示す状態の方ですが、慢性疲労症候群の様な症状がおこったりします。このような場合にもEATが効果的だと考えられます。コロナウィルス感染後遺症にも他の疾患でも、様々な症状を改善するためにも、生活習慣の改善を行うことは大切だと考えられます。その中でもEATは治療の一助となると考えられます。

慢性上咽頭炎:日本病巣疾患研究会HPより

慢性上咽頭炎

 

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。