タンパク質のとり方①タンパク質の大切さ

血液検査でタンパク質不足の方はとても多いです。そこでタンパク質不足を指摘すると、ちゃんとお肉たくさん食べていますといわれる方も多いです。血液検査ではTP(総たんぱく)、Alb(アルブミン)がタンパク質の検査になりますが、他にも肝臓や腎臓の機能をみるために検査する酵素が正常範囲の下3分の1であれば、タンパク質不足だと考えて良いです。

では、タンパク質不足がある場合に、たくさんお肉を食べれば解決するのでしょうか。答えはノーです。身体の機能にとても大切なタンパク質について、お伝えします。

タンパク質不足で起こること

  • 浮腫(むくみ):タンパク質の一種アルブミンが不足すると血管の外に身体の水分がもれでてしまう。
  • 皮膚、髪、爪もろい、キズがなおりにくい:原料不足
  • 筋肉が減っていく:原料不足
  • 血管、歯茎、骨がもろくなる:コラーゲン不足
  • 腸が弱る、消化がよくない:消化のために酵素の不足、腸管が縮んでうまく働かない
  • 貧血:原料不足
  • 代謝の低下、酸素運搬(貧血、血流)、エネルギー(ATP)合成酵素の不足
  • ホルモンの不足(原料不足と運搬がうまくいかない)、
  • 神経伝達物質の低下(睡眠障害、うつ)
  • 免疫力の低下、抗体生成の低下、気道などのバリアーがうまくいかない(コラーゲン不足)
  • 老化: 抗酸化力の低下、
  • 抗酸化物質自体の減少
  • 肝機能低下: 酵素や解毒タンパク質の低下

※柑皮症(かんぴしょう)はレチノールくっつけるプロテインの欠乏で、タンパク質不足のサイン

タンパク質摂取と合わせて考慮すべき栄養素

ミネラル:Kカリウム、Caカルシウム、Mgマグネシウム
タンパク質利用のために大切な栄養:亜鉛、ビタミンB6(多くの酵素の補酵素)

良く噛んで食べること

消化の過程:口の中で食べ物が唾液と混ざり合う→胃の中で胃液で食べ物がドロドロに溶かされる→小腸でタンパク質はアミノ酸に分解されて吸収される。→身体に取り込まれた後に亜鉛やビタミンなど多くの栄養を使って酵素がアミノ酸からタンパク質に再合成する。

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。