インフルエンザやコロナにかかった場合、またはコロナワクチンうったあと、授乳して良いですか?

質問:コロナウィルス感染やインフルエンザ感染がわかったら授乳をやめた方がよいですか?コロナワクチンを2回打った時、授乳中でした。打った日と次の日は母乳あげるのをやめました。ワクチンを打った時は、かえってあげた方がよかったのでしょうか?

答え:インフルエンザとコロナウィルス(COVID-19)にかかったとしても授乳しても問題ありません。コロナワクチン接種後に授乳をしても、赤ちゃんには何も悪影響はありません。

厚生労働省のHPより~私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか。

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンの接種勧奨の対象としており、妊娠中の時期を問わず接種をお勧めしています。授乳中に関しては、ワクチン自体が母乳に移行する可能性は低く、万が一mRNAが母乳中に存在しても、子どもの体内で消化されることが予想され、影響を及ぼすことは考えにくいと報告されています(※7)。

インフルエンザとコロナウィルス(COVID-19)は飛沫や接触感染です。

インフルエンザもコロナも基本的には手についたウィルスやくしゃみや咳で飛び散る唾液に含まれているウィルスから感染します。ですから、感染がわかったり、もしくは風邪を引いてしまって、何が原因かわからない場合(インフルエンザなのかコロナなのか、普通の風邪なのか、いずれにしても)、手洗いうがいをしっかりしましょう。マスクをして手を洗ってから授乳をしましょう。母乳の中にウィルスが特別たくさん増えて、おっぱいを飲むことで赤ちゃんが感染しやすくなるということはありません。

コロナウィルス感染は発症前にウィルスがたくさん排出されています。

コロナウィルス感染がわかったら積極的に授乳しましょう。コロナウィルス感染では熱が出て病気にかかったと分かる前にたくさんのウィルスが排出されているのです。ウィルス排出のピークは熱がでる2日前から前日だと言われています。熱が出てからお母さんと赤ちゃんを離しても意味が無いのです。すでに赤ちゃんはたくさんのウィルスにさらされた後です。

また、インフルエンザは発熱してからウィルス排出のピークを迎えます。ですが、発熱前から赤ちゃんはたくさんのウィルスにさらされています。

お母さんの体調が悪くて、発熱してからお母さんと赤ちゃんを離してだれかが赤ちゃんの面倒を見てくれるのであれば、赤ちゃんへの感染のリスクを少しは、減らすことが出来るかもしれません。でも、すでに赤ちゃんはたくさんのウィルスにさらされています。お母さんはマスクをして、直接くしゃみや咳で赤ちゃんにウィルスをまき散らさないように気をつけつつ、授乳を続けることをお勧めします。

赤ちゃんを隔離する?

赤ちゃんへ移すのが心配だからと赤ちゃんを実家に預けて、搾乳母乳を飲ませる、という選択は感染対策としては理想的かもしれませんが、母乳育児を継続するのに、その後問題が起こってくる可能性もあります。ほ乳瓶の使用や授乳間隔の変化の問題があります。また、熱があって体がきついのに搾乳をしてそれを届けるというのはとてもたいへんな事です。十分に搾乳できないと今度は乳腺炎になってしまうリスクもあります。また預ける実家が無い方も多いかと思います。なので、特別な隔離は必要ありません。高熱があって、体がきついときには、お母さんが寝たまま授乳して赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうこともできます。

新生児がコロナウィルス(COVID-19)にかかっても軽症です。

お母さんがCOVID-19に感染していても、赤ちゃんにうつっても赤ちゃんは軽症であることが知られています。もちろん感染症対策は気をつける必要がありますが、必ずしも赤ちゃんと別室で過ごす必要はありません。

母乳は感染予防に効果的!

母乳の中に含まれる免疫成分は赤ちゃんを感染症から守ってくれる力があります。おっぱいには様々な病気を防ぐ免疫に関わる成分が含まれています。特にお母さんが風邪をひいた(インフルエンザにかかった、コロナウィルスに感染した)場合に、症状が現れる前にすでに赤ちゃんはウィルスにさらされています。ですから熱が出てから赤ちゃんを離すのはあまり意味がないです。それよりもお母さんの中で作られつつある今かかっている風邪に対しての抗体(免疫成分)を含んだ母乳を赤ちゃんに飲んでもらう方がより効果的です。また赤ちゃんは人工乳を飲むことで、腸内環境が大腸菌優位となって免疫力がおちて、ウィルスへの抵抗力がおちてしまい、インフルエンザやコロナにかかる可能性も高まります。ですので、母乳育児を続けることをお勧めします。

熱冷ましは出来るだけ飲まないで!

お薬を飲んだら赤ちゃんに母乳に含まれた薬を飲ませることになるから、おっぱいをあげなかったという話しを聞くことがあります。熱冷ましや風邪薬は授乳中に飲んで赤ちゃんにおっぱいをあげても問題ありません。でも、熱冷ましのお薬をつかって無理矢理熱を下げると、免疫力を落として、逆に風邪を長引かせることになりかねません。出来るだけ解熱剤、鎮痛薬は使わずに、体を冷やしたり温めたり(高熱でも足が冷えていたら足湯をして体をあたためたほうがよいです)、の対処がお勧めです。

熱冷まし、痛み止めを飲まないで!

風邪の対処方法

風邪をひいて熱があって食欲がないときは、何も食べないで水をしっかり飲むようにしましょう。熱が高いと脱水になりやすいので、水はしっかりと飲む必要があります。また授乳しているとなおさら水分が必要です。清涼飲料水やスポーツドリンクなどは砂糖や人工甘味料が多く含まれていて免疫力を落とすので避けましょう。食事をするとそれに対処するために体の中の免疫成分や酵素が食べ物を処理することに動員されてしまいます。食欲がないときには、体が今は食事をしている場合ではないですよと教えてくれているのですね。どうしても何か食べたいときにはすりおろしの野菜を食べたりや生の果物の汁などを飲むのがお勧めです。市販のジュースは酸化しているので避けましょう。

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。