腎機能改善のための生活習慣と食事のアドバイス
腎機能は一度低下すると回復は難しいといわれていますが、適切な生活習慣や食事の工夫によって進行を遅らせたり、腎臓に優しい環境をつくることができます。ここでは、日常生活で意識したいポイントをまとめました。
日常生活の工夫
睡眠・休養
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毎日規則正しい睡眠習慣を心がける
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就寝は 夜10時まで、起床は 6~7時
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睡眠時間は7~7.5時間を確保する
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ストレス管理
- 精神的なストレスを避ける:残業や長期出張、旅行、冠婚葬祭の担い手など、負担になることはできるだけ避ける。
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体のケア
- お風呂に入って身体を温める。
- パソコンなどで同じ姿勢を続けることを避ける。
コラムと動画:身体を温めましょう!
病気の治療
高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、アレルギー疾患がある場合はそれらをきちんと治療する。
運動習慣
- 運動中は水分補給を行う。
- 30分から120分間に、8000歩から12000歩のウォーキングあるいはランニングを週1回以上継続する。
- WHOは週150分以上の運動を推奨。
- ストレッチなどのウォーミングアップとクーリングダウンを十分に行う。
- 最初は10~20分程度から開始し、少しずつ増やす。
- 過激な運動や過度な労働は避ける。疲れているのにやめられない団体競技(野球、サッカー、バレーボール、テニスなど)は避ける。
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禁煙・飲酒について
- 禁煙する。
- お酒を控える。
- 顔が赤くなる人は禁酒。
- お酒が強い人でもエタノール20~30g/日(ビール中瓶1本、日本酒1合、ワイングラス2杯、焼酎100ml、ウイスキー60ml程度)が目安。
- 休肝日を設ける。
口腔ケア・感染予防
- 歯周病予防:毎日の歯磨き(1日2〜3回)とフロス・歯間ブラシを使用。
- エピオス水の使用もおすすめ。
- 歯科で3か月に一回の歯周病予防ケアを受ける。虫歯治療も行う。
- 帰宅時にはうがい、鼻うがいを行う。
- 口の乾燥予防に口閉じテープ。
水分摂取
脱水にならないようこまめに水分補給
食事の工夫
- 炭水化物の極端な制限は避ける。ただし、摂りすぎも要注意。食事の5割程度が炭水化物でバランス良く食べる。
- カロリーをしっかり摂る。ただし、食べ過ぎない。
- 砂糖・小麦・乳製品・食品添加物はできるだけ避ける。
- 乳製品はリンが多く腎臓に良くないためとらない。
- 加工品(ウィンナー、ハム、ソーセージなど)を避ける。
- 揚げ物を避ける。
- 電子レンジを避ける。
- 新鮮な野菜を適切な量で摂取する。腎機能が過度に悪化していなければ、生野菜からのカリウム摂取も問題ない。
- よく噛んでゆっくり食べる。
- 腎機能にあったエネルギー、たんぱく質をとる。たんぱく質は総エネルギーの10%が上限。
- 家族に協力してもらい、家族みんなで同じ内容の食事を楽しむ。家族の協力が大切。
- 自分で調理を行うのもおすすめ。
- 玄米ご飯お勧め。
腸内環境を良くする
腸内環境が悪いと腎臓に負担がかかる。便秘は厳禁です。
心身の健康
- よく笑う:腎血流が増え、免疫力が高まる。
- 家族と一緒に食事をすることで生活習慣改善をサポート
記録・管理
- 尿量・尿回数・体重を記録する。
- 食事内容を記録する。
- 血圧を記録する。
- 体重は朝晩2回測るのがおすすめ。
- 便通を記録
- 血液検査結果は保存し、きちんと記録する。
まとめ
これらの生活習慣を意識して実践することで、腎臓への負担を減らし、腎機能の悪化を防ぐことが期待できます。特に、「規則正しい睡眠」、「適度な運動」、「食事の工夫」、「禁煙・節酒」、「口腔ケア」「毎日の排便」といった日常の習慣が欠かせません。日々の積み重ねが腎臓の健康を守ります。今日から少しずつ取り入れていくことで、腎臓の健康を長く守ることができます。