忙しい中で健康的な食生活を続けるためのポイント~ぐしかわ看護学校生徒さんよりの質問と回答

ぐしかわ看護学校生徒さんよりの質問と回答

忙しい中で健康的な食生活を続けるためのポイント

質問:
忙しい中での健康的な食生活を続ける為に大切なこと、ポイントなどはありますか。

回答:
とても大切な質問です。看護学生さんや医療者は、授業、実習、課題、仕事などで忙しく、食事が後回しになりやすいと思います。忙しい時ほど、菓子パン、カップ麺、お菓子、甘い飲み物だけで済ませてしまうこともあります。

健康的な食生活を続けるために大切なのは、「完璧な食事を毎日作ること」ではありません。忙しい中でも続けられるように、できるだけ簡単で、現実的な形にすることです。

まずは「たんぱく質」を入れる

食事で最初に意識してほしいのは、毎食たんぱく質を入れることです。たんぱく質は、筋肉、血液、皮膚、髪、ホルモン、免疫に関わる大切な栄養素です。たんぱく質が不足すると、疲れやすい、集中しにくい、甘いものが欲しくなる、体調を崩しやすいなどにつながることがあります。

忙しい時には、ゆで卵、納豆、豆腐、魚の缶詰、焼き魚、鶏肉などを活用するとよいです。コンビニで選ぶ場合も、おにぎりだけではなく、ゆで卵、サラダチキン、焼き魚、豆腐、味噌汁などを組み合わせると、栄養のバランスが整いやすくなります。

主食だけで終わらせない

忙しい時は、おにぎりだけ、パンだけ、麺だけという食事になりがちです。主食は大切ですが、主食だけではたんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。理想は、「主食+主菜+副菜」です。ごはんに、卵や魚、肉、大豆製品などの主菜を合わせ、さらに野菜、海藻、きのこ類などの副菜を加えると、バランスが整いやすくなります。厚生労働省と農林水産省の食事バランスガイドでも、毎日の食事を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物に分けて、何をどれだけ食べるかの目安が示されています。難しく考えず、「ごはんだけで終わらせない」「パンだけで終わらせない」と意識することから始めてみてください。

小麦・乳製品・赤身肉・加工肉を減らしてみる

健康的な食生活を考える時には、「何を食べるか」だけでなく、「何を少し減らすか」も大切です。毎日の食事で、パン、麺類、菓子パン、クッキーなどの小麦製品、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、牛肉・豚肉などの赤身肉、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉が多くなっている場合は、少し減らしてみることをおすすめします。

小麦製品は手軽ですが、パンや麺だけの食事になると、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。また、菓子パンや小麦のお菓子は砂糖や油も多くなりがちです。主食は、できるだけごはんや雑穀ごはん、芋類などを選ぶと、食事の満足感も出やすくなります。

乳製品や赤身肉、加工肉も、食べてはいけないということではありませんが、毎日多くとるよりも、魚、卵、大豆製品、鶏肉、豆類なども取り入れて、たんぱく質の種類を分散させることが大切です。特に加工肉は塩分や添加物が多くなりやすいため、日常的に多くならないように意識するとよいでしょう。

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忙しい時は、ついパン、麺、ハムやソーセージ、チーズなどに頼りやすくなります。まずは「朝のパンを週に数回ごはんに変える」「加工肉を魚や卵に変える」「乳製品を毎日ではなく時々にする」など、できるところから少しずつ変えてみてください。

具だくさん味噌汁は忙しい人の味方

忙しい人に特におすすめなのは、具だくさんの味噌汁です。味噌汁に、豆腐、卵、豚肉、魚、きのこ、わかめ、野菜を入れると、一品でたんぱく質、野菜、ミネラルをとることができます。毎回きれいな副菜を作らなくても大丈夫です。冷凍野菜、乾燥わかめ、きのこ、豆腐、卵などを使えば、短時間でも栄養のある一品になります。朝に温かい味噌汁を飲むだけでも、体が温まり、食事の満足感が上がります。

買い置きしておくと便利なもの

健康的な食事を続けるためには、「お腹がすいた時に、家に何があるか」がとても大切です。忙しい時ほど、すぐ食べられるものを準備しておくと、食生活が乱れにくくなります。おすすめの買い置きは、卵、納豆、豆腐、魚の缶詰、きのこ、海藻、味噌、玄米やごはんの冷凍ストック、ナッツなどです。お菓子や菓子パンを常備するよりも、体を支える食材を手の届くところに置いておくことがポイントです。

コンビニを使う時の選び方

コンビニを使うこと自体が悪いわけではありません。選び方を少し工夫すれば、忙しい時の強い味方になります。たとえば、おにぎりに、ゆで卵、焼き魚、具だくさん味噌汁、サラダ、豆腐、納豆などを組み合わせるとよいです。反対に、菓子パンと甘いカフェラテ、カップ麺とジュース、お菓子だけ、という組み合わせは血糖値が乱れやすく、疲れや眠気につながることがあります。迷った時は、「たんぱく質が入っているか」「野菜や海藻が少しでも入っているか」「甘い飲み物ではなく水やお茶にできるか」を確認してみてください。

甘い飲み物を減らす

忙しくて疲れている時ほど、甘い飲み物やお菓子が欲しくなることがあります。しかし、砂糖の多い飲み物は血糖値を急に上げ、その後に急に下がることで、眠気、だるさ、集中力低下、さらに甘いものが欲しくなる悪循環につながることがあります。

まずは、ジュース、加糖カフェラテ、エナジードリンク、甘い紅茶などを、水、お茶、無糖の飲み物に変えるだけでも大きな一歩です。食事を変えるのが難しい時は、飲み物から整えるのもおすすめです。

完璧を目指さない

健康的な食生活を続けるうえで大切なのは、完璧を目指さないことです。「今日は忙しくてできなかった」と思っても、次の食事で整えれば大丈夫です。

毎食100点を目指すよりも、1日の中で少し整える、1週間の中で整える、という考え方が続けやすいです。忙しい時期には、外食やコンビニを使いながらでも、たんぱく質を足す、味噌汁を足す、甘い飲み物を減らす、という小さな工夫を積み重ねることが大切です。

看護学生さん自身の健康も大切です

看護や医療を学ぶ人は、将来、患者さんや妊婦さん、産後のお母さん、赤ちゃんを支える立場になります。そのためにも、まず自分自身の体を整えることが大切です。

食事が乱れると、疲れやすさ、集中力低下、月経不調、肌荒れ、気分の落ち込みなどにつながることもあります。自分の食事を整えることは、患者さんに健康を伝える力にもつながります。

まとめ

忙しい中で健康的な食生活を続けるためには、難しい料理を毎日作る必要はありません。まずは、主食だけで終わらせず、たんぱく質を入れること。具だくさん味噌汁を活用すること。卵、納豆、豆腐、魚の缶詰、冷凍野菜などを買い置きしておくこと。甘い飲み物を減らすこと。これだけでも、食生活は大きく変わります。

健康的な食事は、特別な日のためのものではなく、毎日の体と心を支えるものです。忙しい時こそ、自分を大切にするために、できることから少しずつ整えていきましょう。

この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。