総死亡率が低い健康的な食材とは
最新の研究(N Engl J Med 2024;390(14):1299-1310)によると、日常的に摂取する食材の選び方が、総死亡率に大きく影響を与えることが明らかになっています。以下は、推奨される食材と控えるべき食材を整理した一覧です。
推奨される食材 | 避けるべき食材 |
---|---|
野菜 | 赤い肉(牛、豚) |
フルーツ | 加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーガーなどの精製肉) |
全粒穀物(玄米、茶色のパン) | 精製炭水化物(白パン、白米、パスタ、菓子、砂糖飲料) |
低脂肪乳 | |
脂肪の少ない肉、皮なし鶏肉 | 高脂肪肉 |
卵 | 乳製品(高脂肪) |
魚介類 | スイーツ |
大豆、豆、ナッツ、シード(種) | |
植物油、魚油 |
解説:
野菜・果物・魚介類・全粒穀物・ナッツ類などは抗酸化作用や抗炎症作用に優れ、生活習慣病の予防や寿命の延長に寄与することが報告されています。一方で、赤肉や加工肉、精製炭水化物、砂糖飲料などは心血管疾患やがんのリスクを高め、総死亡率を上げる可能性があるため、摂取を控えることが推奨されています。
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精製炭水化物とは、白米や砂糖、小麦粉のように、精製される過程でビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が失われ、ほとんど糖質だけになった炭水化物のこと。ラーメン、パン、パスタも避けるべき物になります。
2年ぶりにラーメン食べました!
まとめ
- 野菜と果物は「毎食」取り入れるのが理想。
- 白米や白パンより、玄米や全粒パンを選びましょう。できれば小麦は腸の炎症をおこす小麦は小麦は避けて、パンより米を食べましょう。
- 赤肉(牛・豚)は控えめに、鶏肉や魚を中心に。
- 加工肉(ソーセージやベーコンなど)はできるだけ避ける。
- ナッツは1日30g程度が目安。おやつやサラダに取り入れるのがおすすめ。
- 清涼飲料やスイーツは「特別な日」に。普段は水やお茶で。
- 油はオリーブオイルや米油など「良質な油」を使う。トランス脂肪酸は避ける。
トランス脂肪酸は死亡酸?!
無理に完璧を目指す必要はなく、日々の食生活の中で少しずつ「良い選択」を重ねることが、健康寿命を延ばすカギになります。
参考文献:N Engl J Med 2024;390(14):1299-1310
食事成分と総死亡率の関係
大規模コホート研究(Am J Clin Nutr. 2017;105:1462-1473)によれば、日常的に摂取する食事成分が、寿命や健康に大きな影響を与えることが示されています。以下の図は、主要な食品群と総死亡率との関連を解析したものです。
研究結果のポイント
- 全粒粉(玄米、全粒パンなど):摂取量が多いほど、総死亡率が有意に低下。
- 精製穀物(白米、白パンなど):摂取量が多いと死亡率がむしろ上昇傾向。
- 野菜:摂取量増加に比例して死亡率が低下。特に200〜300g/日以上で効果が明確。
- 果物:適度な摂取で死亡率が低下。摂取量が少ない場合にリスクが上がる。
- ナッツ:1日30g前後の摂取で死亡率が有意に低下。
- 豆類:明確なリスク低下効果が示されており、特に植物性タンパク源として有効。
摂取目安量(g/日)
食品群 | 推奨される摂取目安 | ポイント |
---|---|---|
全粒穀物 | 1日50〜90g(乾物換算) | 白米の一部を玄米・雑穀ごはんに置き換える |
精製穀物 | できるだけ少なく | 白米・白パン・麺類は控えめに |
野菜 | 350g以上(うち緑黄色野菜120g) | 厚労省「健康日本21」の目標値 |
果物 | 200g程度 | りんご1個 or みかん2個が目安 |
ナッツ | 25〜30g | 無塩・素焼きが理想、片手一杯分 |
豆類 | 1日50〜100g | 煮豆・味噌・豆腐などを活用 |
解説
この結果から、健康長寿のためには「全粒穀物・野菜・果物・ナッツ・豆類」を積極的に取り入れ、精製穀物の摂取を控えることが推奨されます。
特に白米や白パンの代わりに玄米や雑穀を取り入れる、間食にはナッツを選ぶ、主菜には豆料理を取り入れるといった日常の工夫が、長期的な健康につながると考えられます。
参考文献:Am J Clin Nutr. 2017;105:1462-1473、厚生労働省「健康日本21」
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