睡眠ダイエット

肥満外来の女医が教える 熟睡して痩せる 「3・3・7」睡眠ダイエット:左藤 桂子 (著)

やせたいのに、やせられない人への健康的にやせるためのアドバイスが満載です。健康のために運動と食事は大切ですが、そこに睡眠も大切にするということをよりしっかりと理解させてくれます。肥満外来での豊富な臨床経験を持つ医師が提唱する「3・3・7睡眠法」に基づいたダイエット法を解説しています。この方法は、以下の3つのルールを実践することで、睡眠の質を高め、自然に痩せやすい体質を目指すものです。

ぐっすり眠ると300キロカロリーを消費する。

ぐっすり眠るのが大切で、そのために、睡眠を大切にすることを学びましょう。ぐっすり眠れているかどうかですが、朝起きたときに疲れがとれていないと感じたり、昼間に眠気を感じたり、様々な場面でウトウトしてしまうことがあれば、それはぐっすりと眠れていなかったり、自分に必要な睡眠時間がとれていない可能性があります。

成長ホルモン

成長ホルモンは、成長期の子どもだけで無く、大人にも大切なホルモンです。寝ている間に成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには、大切な働きがあります。1つが疲労回復です。身体の疲れをとるのに大切な働きをしてくれます。また、成長ホルモンには、身体にたまった脂肪を分解するという働きもあります。寝ている間に300キロカロリーが消費されるのは、この成長ホルモンの働きによる物です。けれども、睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンは少なくしか分泌されません。70%も減ってしまうのです。

3.3.7睡眠法

成長ホルモンの働きを高めるための正しい睡眠をとるためのおすすめとして、3.3.7睡眠法が勧められています。

  • 3:寝始めの「3時間」は中断せずにまとめて寝る。
  • 3:夜中の3時には寝ている。
  • 7:一日のトータルの睡眠時間は「7時間」を目指す

この3つのルールの優先順位は、最初の眠りはじめの3時間は中断せずにまとめて眠ることが、最も重要で、次に夜中の3時には眠っている、そして一日トータル7時間眠るようにするということです。なかなか忙しいと7時間の睡眠を確保するのは難しいですが、隙間時間で30分以内でも休めるとかなり身体の疲労度は変わります。また、夜以外に寝る場合には、夜間の睡眠の質を落とさないために、午後3時まで、30分以内で眠るようにすることもお勧めです。また、1度朝は起きて、朝日を浴びて身体をリセットしましょう。

食欲コントロール出来無いのは、睡眠不足

睡眠不足の人は、食欲が増して、空腹感を強く感じやすくなります。疲れがまして、眠気やだるさを感じると、より味がこかったり、甘い物などジャンクフードに走ってしまいがちになります。睡眠不足だと、食欲増進する体内物質が増えて、ジャンクフードとして濃い味付けや甘い物をほしがるようになったという研究結果があります。精神的にも安定するためにも睡眠はとても大切です。

ウォーキングのススメ

運動というと、なかなか時間がとれないと感じている人が多いと思いますが、ハードは運動は必要無く、スポーツジムにお金を払わなくても、ウォーキングをすることがお勧めです。毎日運動することを習慣化しましょう。

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眠れなくても焦らないで。

夜中に目覚めて眠れなくなったり、朝もっと寝ていたいのに目覚めてしまったときには、そのままベッドに横になるだけで、身体を休めましょう。疲れがたまっていたら、おやすみの日に、いつもよりゆっくり休むのはお勧めです。ただし、その場合でも、朝一旦起きて朝日を浴びてから午後3時までに30分以内の睡眠にとどめておくことがお勧めです。体内時計が大きく狂わないようにしましょう。また夜や早朝眠れないときには、シャバーサナポーズと足の内旋で、478呼吸をして休むのがお勧めです。

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寝室の環境を大切にする

  • 寝室の掃除はまめにしましょう(ほこりをためないように)
  • 枕カバーやシーツもまめに洗いましょう。
  • ほこりがついていそうな雑貨や小物、ぬいぐるみなどは寝室に置きっ放しにしない。
  • 定期的に布団を干したり、布団乾燥機をつかう
  • 空気清浄機をしようする。
  • WIFI電波を切って、携帯電話は機内モードにするか電源をきる。寝る頭の近くにコンセントがないようにする。

寝室の空気をきれいにして、カビや雑菌、アレルギーの原因となるほこりを出来るだけ少なくすることが大切です。長いことすごす寝室の環境は、健康にとても影響します。汚れた空気を吸って寝ていると、良い睡眠がとれません。寝るときにはほこりを出来るだけ吸い込まないように、口閉じテープもお勧めです。

口閉じテープ(マウステープ)のご紹介

簡単にほこりを毎日とるようにして、数日に一回は掃除機をかけたり、ぞうきんがけをして、ほこりを減らしましょう。ほこりのたまりやすい小物やぬいぐるみはなるべく寝室におかないようにしましょう。枕カバーやシーツは週に一回を目安に選択しましょう。そして寝室には空気清浄機をおいてほこりを減らすのもお勧めです。

寝室に鏡と体重計

寝室に鏡と体重計をおいて、しっかり眠ってどんどんスリムになっていく自分を実感することもお勧めです。体重は毎日同じ時間帯に測ることがお勧めです。一日の中でも1kgくらいは変動します。また、鏡で自分の体型をチェックすることで、ダイエットへのモチベーションを上げられます。太ったかどうかもチェックして対策を考えるきっかけになります。ですので、鏡は全身がうつる鏡が良いです。

しっかり眠ってしっかり栄養をとってやせる

体重が減っても、老けてしまっては元も子もありません。しっかりと栄養を摂っていくことはとても大切です。その中でもタンパク質をしっかり摂ることはとても大切です。タンパク質は、身体の機能を働かせるのに欠かせない酵素の原料でもありますし、また睡眠のホルモンメラトニンや成長ホルモンもタンパク質が原料です。良い眠りをとるためにも、タンパク質は大切です。

タンパク質をとるために

タンパク質をとるためには、肉や魚、卵などの動物性たんぱくが浮かぶかもしれません。でも動物性蛋白のとりすぎは、発がんリスクを高めるという報告があります。なので、納豆や豆類など植物性たんぱくも積極的にとるようにしましょう。

タンパク質のとり方②お勧めの食材

タンパク質のとり方③どうやって食べると良いか。

タンパク質のとり方④どれだけ食べた方がよいのか

太らない食べ方

しっかり眠ってやせるためには、寝る3時間前はものを食べないほうがよいです。でも、なかなか早い時間に夕食を食べ終わるのはむずかしいと思います。でも、まずは知ることから。できるだけ寝る前には食べずに、遅くなったら食べないで寝るという事が身体によいと知って、出来るときには実践するようにしましょう。遅い時間に食べると身体の回復力が奪われて、睡眠の質も落ちてしまうのです。どうしても寝る前に食べたい場合には、具が少なめの汁物(スープや味噌汁など)をすこしだけとって、なるべく消化に負担になる物は避けるようにしましょう。身体の回復力をみるために、OURAリングはとてもお勧めです。遅い時間に食べると、心拍数の低下が遅くなり、身体の回復力に悪影響があるということが、グラフと数字ではっきりと分かるので、より深く自分の身体の状態を認識できます。

あなたの睡眠は足りていますか?OURA RING オーラリングの紹介

油を選ぶ

揚げ物は避けて、油も酸化しやすい油を避けるようにしましょう。

オリーブオイルの選び方~油について、揚げ物は避けましょう!

色とりどりの野菜を食べよう

カラフルな野菜をとると、ファイトケミカルという身体を参加から防ぐことができる栄養成分が摂れます。野菜を丸ごと食べる(大根や人参は皮をむかない、葉も含めて全部食べる)ことで健康に大切な栄養成分がとれます。

大根の葉を食べよう!

気づかずにたべてしまっている

そんなにたくさん食べていないのに、やせられないという人は、ほんの一口のお菓子など、あまり意識しないで少しずつ食べている物が影響している可能性があります。また、大して食べていないのに太っているという人と、太っていない人たちの食事の記録を調べたところ、太っている人たちは、やせている人に比べて、加工食品をたべる割合が多かったという報告もあります。手の届くところに食べ物があると、あまり意識せずにつまみ食いをしてしまいがちです。手の届くところには食べ物をおかないようにしましょう。また買い置きもしない方が良いです。

寝酒は避けて

眠る前にお酒を飲むと寝付きは良くなるのですが、体内でアルコールが代謝されて、アルデヒドに変わるとこのアルデヒドが身体を目覚めさせる作用があるため、目が覚めたり、眠りが浅くなったりします。寝る前にはお酒は飲まないようにしましょう。

良い睡眠のために、寝る前の運動はやめましょう。

寝る前に運動すると、身体は目覚めてしまい、良い睡眠の邪魔になってしまいます。活動モードで眠れなくなってしまっては、せっかくやせたいと思って頑張って運動しても逆効果です。寝る前には激しい運動は控えて、身体をリラックスさせるようにして、ぐっすりと眠るようにしましょう。

睡眠は健康のためにとても大切

良い睡眠をとりましょう!

良い睡眠のためにセックス

ぐっすり眠ってすっきりやせるための十分な成長ホルモンが寝ている間に分泌されるためにセックスはとてもよい方法です。アメリカ・ナショナルスリープファンデーション(NSF)は、セックスが心身のリラックスを促し、睡眠導入時間を短縮することを報告しています。セックスでオキシトシン(愛情ホルモン)がでて、安心感・リラックス効果があり、ストレスを和らげるこうかがあります。また、プロラクチンは睡眠の誘発と関係し、特に男性ではオーガズム後に急増します。セロトニン は幸福感をもたらし、メラトニンの前駆体となるため睡眠に繋がります。コルチゾールが低下して、ストレスホルモンが抑えられ、覚醒度が下がります。これらのホルモンにより、交感神経が抑制され副交感神経が優位になり、自然な眠気が促されます。セックスするパートナーがいなくても、セルフプレジャー(マスターベーション、オナニー、自慰行為などとも言う)でオーガズムを得ることで良質な睡眠を促す「自然な睡眠補助行為」になりえます。セックスでオーガズムを得なくても、マッサージやハグなどでも有効です。

パワーナップのススメ

まとめて眠れなかったとしても、短い睡眠をとるだけで、身体は回復出来ます。是非2回目の睡眠をとるようにしましょう。

パワーナップとNSDRのすすめ

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この記事を書いた医師

島袋 史 (ゆいクリニック院長)
  • ゆいクリニック院長
  • 島袋 史
  • Fumi Shimabukuro
  • 【資格】日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。1970年東京都生まれ、1989年大学入学のため沖縄へ。1995年、琉球大学医学部卒業。琉球大学産婦人科入局。沖縄県内にて研修後、2011年にゆいクリニックを開院。4児の母。小児科医の夫と共に、多くの女性の出産・育児を支援するほか、更年期や月経トラブルなど女性のための治療を行い、ホメオパシーや栄養療法やプラセンタ療法などの自然療法も積極的に取り入れている。特に、小麦や砂糖、乳製品、食品添加物を一切使わない食事をクリニックで提供するなど、食事療法の重要性を説いている。